田中雄二の「映画の王様」

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『メジャーリーグ』

2016-02-18 08:53:22 | All About おすすめ映画

『メジャーリーグ』 (89)

実際のインディアンスも強豪チームに!



 もし、自分が肩入れする弱小チームが強豪チームと優勝を懸けた一戦に臨んだら…。そんなファンの夢をかなえてくれる野球映画がこれ。この映画で描かれるチームは、実際に34年間も優勝から遠ざかっていたクリーブランド・インディアンスです。

 (ここからはフィクションです)。夫の跡を継いだ新オーナーは、年間の観客動員数が規定を下回れば本拠地の移転が認められることを知り、わざとチームを弱体化させようとします。

 そのため、マイナーリーグの監督ブラウン(ジェームズ・ギャモン)、ロートル・キャッチャーのテイラー(トム・ベレンジャー)、お気楽なベテラン選手ドーン(コービン・バーンセン)、変化球が打てないセラノ(デニス・ヘイスバート)、俊足だけが取り柄のヘイズ(ウェズリー・スナイプス)、ノーコン投手のボーン(チャーリー・シーン)ら、とても戦力にはならないような選手を集めます。

 ところが、オーナーの思惑を知り、反発、発奮したチームは快進撃を続け、ついには強豪ニューヨーク・ヤンキースとのプレーオフに臨むことになります。ダメな選手たちが変身していく姿が痛快です。中でも、抑えの切り札となったボーンが入場する際に流れた「Wild thing」は大流行しました。そして映画の効用もあってか実際のインディアンスもこの後、強豪チームへと変貌を遂げました。

 この映画では、個性的な選手を演じる俳優たちが見事なプレーを見せ、エキストラ=観客も心の底から野球を楽しんでいる様子がうかがえます。これぞまさにメジャーリーグ・ベースボールの神髄と言いたいところですが、その一方、強い女性にやりこめられて立場が弱くなった男たちの復讐劇という、80年代の風潮を反映させた側面もあります。

 好評につき、続編の『メジャーリーグ2』(94)と、番外編の『メジャーリーグ3』(98)が製作されています。

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