『ザ・コール 緊急通報指令室』(13)
いい拾い物をしたような気分になる
謎の男に誘拐された少女(アビゲイル・ブレスリン)からの通報を受けた、911(緊急通報指令室)のオペレーター(ハル・ベリー)が、少女の声だけを頼りに奮闘する姿を描く。
前半は、911の仕事を紹介しながら、一度救助に失敗し、トラウマを抱えるオペレーターと、走る車のトランクの中に閉じ込められた少女の視点で話が進んでいく。スピード感に満ちた新種の追い掛け劇としての面白さで見せる。
後半は猟奇的な犯人を中心にした『サイコ』(60)や『羊たちの沈黙』(91)を思わせるスリラーへと転化する。前半に比べると少々“失速”するのが残念だが、全体的には、94分の中に幾つもの山場を展開させたB級サスペンスの良作だと言える。昔、面白いB級映画を見つけて、いい拾い物をしたような気分になったことを思い出した。