原作葉室麟、脚本小泉尭史。映画カメラマン木村大作の監督第3作で初の時代劇。

享保時代。かつて藩の不正を訴えたが認められず、故郷の扇野藩を出た瓜生新兵衛(岡田准一)は、病に倒れた妻(麻生久美子)の最期の願いを胸に、故郷に戻る。折しも扇野藩では、藩主の代替りをめぐり、側用人(西島秀俊)と家老(奥田瑛二)の対立が起きていた。
思わず、木村大作の背後に黒澤明がいる! と言いたくなるような、圧倒的な、雨、雪、風、花、馬…の描写が素晴らしい。何より椿といえば、黒澤の『椿三十郎』(62)とイメージが重なるではないか。そして、岡田准一の背後に三船敏郎がいる! と言いたくなるような、独特かつ見事な殺陣を岡田が披露する。
とはいえ、決してものまねではなく、時代劇の伝統は継承しつつも、殺陣や人物描写には独創的な面もあり、新しい時代劇という印象も受けた。こういう映画を見ると、日本映画は決して時代劇を捨ててはならないのだ、と思わされる。

享保時代。かつて藩の不正を訴えたが認められず、故郷の扇野藩を出た瓜生新兵衛(岡田准一)は、病に倒れた妻(麻生久美子)の最期の願いを胸に、故郷に戻る。折しも扇野藩では、藩主の代替りをめぐり、側用人(西島秀俊)と家老(奥田瑛二)の対立が起きていた。
思わず、木村大作の背後に黒澤明がいる! と言いたくなるような、圧倒的な、雨、雪、風、花、馬…の描写が素晴らしい。何より椿といえば、黒澤の『椿三十郎』(62)とイメージが重なるではないか。そして、岡田准一の背後に三船敏郎がいる! と言いたくなるような、独特かつ見事な殺陣を岡田が披露する。
とはいえ、決してものまねではなく、時代劇の伝統は継承しつつも、殺陣や人物描写には独創的な面もあり、新しい時代劇という印象も受けた。こういう映画を見ると、日本映画は決して時代劇を捨ててはならないのだ、と思わされる。