田中雄二の「映画の王様」

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ビデオ通話で西部劇談議『墓石と決闘』

2020-11-22 07:30:21 | 駅馬車の会 西部劇Zoomミーティング

 今回のテーマは、ジョン・スタージェス監督が、自身の『OK牧場の決斗』(57)の後日談を描いた『墓石と決闘』(67)。この映画の原題は「銃の時代」だが、保安官として法に忠実であろうとしながら、弟を殺されたことに対する復讐心を抑え切れないワイアット・アープの葛藤を通して、銃の時代の終焉や、法と無法の境界の時代を描いているとも言えるだろう。

 いわゆる「OK牧場の決闘」とそれに続く出来事は、極端に言えば、アープ一家とクラントン一家の私怨によるけんかに過ぎない。それが、なぜ伝説となり、こうしてたびたび映画化されるのか。その理由は実のところ自分にはよく分からない。 
 
 ただ、例えば日本で言えば、浪曲や講談で語られるうちに、どこまでが史実でどこからがフィクションなのかが定かでなくなった、笹川繁蔵と飯岡助五郎という、江戸時代の二人の侠客の勢力争いを伝えた「天保水滸伝」の「大利根河原の決闘」と重なるところがある。おまけに、この話にはドク・ホリディを思わせる、肺病病みで酒好きの零落の助っ人・平手造酒まで登場するのだ。

 ほかにも『シェーン』(53)を長谷川伸の股旅物と重ねるように、本来は別物であるはずの、西部劇と時代劇との類似性には興味深いものがあるが、結局は、どちらの作劇法も『リバティ・バランスを射った男』(61)の「西部では、伝説が事実となったときは、伝説を記事にする」というセリフに集約されるところが、共通点なのかもしれない。

『墓石と決闘』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e9e508f445d4e9084cd0effc88d04d29

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