亡くなった辻萬長を最初に認知したのは、市川崑監督の金田一耕助シリーズの『犬神家の一族』(76)『悪魔の手毬唄』(77)『獄門島』(77)での、加藤武の等々力警部の部下役だった。
以後は、井上ひさしのこまつ座の常連俳優として活躍。自分が見たのは、「シャンハイムーン」(92)での魯迅(高橋長英)を助ける医師・須藤五百三、「黙阿弥オペラ」(95)の主人公で戯作者の河竹新七、「紙屋町さくらホテル」(97)では、原爆で命を落とす俳優の丸山定夫、そして「連鎖街の人々」(00)の劇作家役。特に珍しく主役を張った「黙阿弥オペラ」が印象深い。
とにかく声がいい、いかにも舞台栄えのする俳優だった。「父と暮せば」の父親役はすまけい版で見たのだが、辻版も見てみたかったと思う。
井上ひさしの芝居1「イーハトーボの劇列車」「シャンハイムーン」「頭痛肩こり樋口一葉」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8e3f784f72790f4908cfea3f8629292e
井上ひさしの芝居3「表裏源内蛙合戦」「化粧」「紙屋町さくらホテル」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1a330d7a114e054d517fe8d6b5a03fab
井上ひさしの芝居4「黙阿弥オペラ」「連鎖街の人々」「天保十二年のシェイクスピア」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/916c48116e5762b82e974a9e68c55e47