「ごめん。待った? 」
「ううん。嬉しくって早く来すぎちゃった。無理言ってごめんね。」
両手を合わせて頭を軽く下げる。すると、彼は、はにかみながら、「2時間くらいしかないけど、いいかな。」って、気遣ってくれた。
「ぜんぜん。すごくうれしい。私のわがまま聞いてくれてありがとう。」
「えっ、これって、わがままなの? 」
凄く意外な返事が返ってきた。加持君はどう感じてたんだろう。
「う~ん。わがままだと思うよ。加持君、迷惑じゃない? 」
「迷惑じゃないよ。迷惑と思ってたら断ってるよ。」
そういって、優しく微笑む彼。
「たしかに。加持君ならそうするね。」
私は本当にこの優しさに甘えていいんだろうかと思ってしまう。わがまま言いすぎると、いつか、私の手から零れ落ちてしまうんじゃないかって不安になる。
「じゃあ、どうしようか・・・。村主さんは、もうお昼ごはん済ませたの? 」
「あっ、まだです。」
「よかった。僕もお昼、まだなんだ。」
「どこかで、ご飯食べますか? 」
「うん。じゃあ、東口のガストでいいかな。少しおこずかいあるから、ご馳走します。」
「そんなの悪いです。私こそご馳走しちゃいます。」
二人で遠慮しあう。何となく笑えてくる。でも、このやり取りがすごく心地いい。
「時間がもったいないから、先ずはガストへ行こう。」
「そだね。」
オブジェに背を向け東口へ歩く。彼は歩くのが早くて、ついてゆくのが大変な事もあるけれど、少しでも離れたら、立ち止まって私を待ってくれる。そんな時、手を繋ぎたいって思うけれど、手を繋ごうとすると、彼はきっと、「ごめん」といって、手を放してしまうだろう。
いつも、そこに、もどかしさを感じていた。
「ううん。嬉しくって早く来すぎちゃった。無理言ってごめんね。」
両手を合わせて頭を軽く下げる。すると、彼は、はにかみながら、「2時間くらいしかないけど、いいかな。」って、気遣ってくれた。
「ぜんぜん。すごくうれしい。私のわがまま聞いてくれてありがとう。」
「えっ、これって、わがままなの? 」
凄く意外な返事が返ってきた。加持君はどう感じてたんだろう。
「う~ん。わがままだと思うよ。加持君、迷惑じゃない? 」
「迷惑じゃないよ。迷惑と思ってたら断ってるよ。」
そういって、優しく微笑む彼。
「たしかに。加持君ならそうするね。」
私は本当にこの優しさに甘えていいんだろうかと思ってしまう。わがまま言いすぎると、いつか、私の手から零れ落ちてしまうんじゃないかって不安になる。
「じゃあ、どうしようか・・・。村主さんは、もうお昼ごはん済ませたの? 」
「あっ、まだです。」
「よかった。僕もお昼、まだなんだ。」
「どこかで、ご飯食べますか? 」
「うん。じゃあ、東口のガストでいいかな。少しおこずかいあるから、ご馳走します。」
「そんなの悪いです。私こそご馳走しちゃいます。」
二人で遠慮しあう。何となく笑えてくる。でも、このやり取りがすごく心地いい。
「時間がもったいないから、先ずはガストへ行こう。」
「そだね。」
オブジェに背を向け東口へ歩く。彼は歩くのが早くて、ついてゆくのが大変な事もあるけれど、少しでも離れたら、立ち止まって私を待ってくれる。そんな時、手を繋ぎたいって思うけれど、手を繋ごうとすると、彼はきっと、「ごめん」といって、手を放してしまうだろう。
いつも、そこに、もどかしさを感じていた。