「泣いてるの? なにか傷つけるような事、言ったかな? 大丈夫? ごめんね。えっと・・・、これ使って。」
彼はリュックサックから、ティッシュペーパーを取り出し、私に差し出した。
私は私を責めて泣いているのに、なんて優しい人なんだろう。
私なんか、彼の足を引っ張るだけかもしれない。
「ごめんなさい。自分が情けなくって・・・・・・。」
「ううん。誤る事なんてない。村主さんの気持ちはすごくわかってた。ただ、こうやって逢っくれるだけなのに、僕の事を好きでいてくれて、将来の事まで考えてくれてた。それは、すごくうれしかった。だから、知っておいてほしかったし、共に人生を歩むことになれば、乗り越えていかなければならない壁が、ある日突然現れるかもしれない。その時、事実を知らなかったら、ただ傷つくだけだと思ってたから、できるなら傷つけたくないなって。」
「・・・私なんかと・・・・・・・。」
「私なんか、じゃないよ。僕は村主さんのその真っ直ぐな所が本当に好き。だから、村主さんが引き返せなくなったときの事を考えると、今以上に踏み込めなかったんだ。」
そこまで考えていてくれたなんて。私は本当に彼を好きでいて、いいんだろうか。
「加持君。」
「なに? 」
「私は、加持君の事、好きでいていいの? 」
「うん。もちろんです。社会にある見えない壁を、僕と一緒に乗り越えていってくれるなら。」
「僕と一緒に」と、言う言葉に力が湧いてくる。大丈夫だ。私、加持君の事がこんなにも好きなんだから。
「私、加持君と共に乗り越えていきたい。ついていっていい? 」
そう言うと、彼は恥ずかしそうに微笑んで、私の方に右手を伸ばした。
「これからも、よろしくお願いします。」
テーブルの上に残されたパンケーキとピザとポテトの上で、加持君の手を、初めて、しっかりと、握った。
私は、この先、どんなことがあっても、絶対にこの瞬間を忘れない。
彼はリュックサックから、ティッシュペーパーを取り出し、私に差し出した。
私は私を責めて泣いているのに、なんて優しい人なんだろう。
私なんか、彼の足を引っ張るだけかもしれない。
「ごめんなさい。自分が情けなくって・・・・・・。」
「ううん。誤る事なんてない。村主さんの気持ちはすごくわかってた。ただ、こうやって逢っくれるだけなのに、僕の事を好きでいてくれて、将来の事まで考えてくれてた。それは、すごくうれしかった。だから、知っておいてほしかったし、共に人生を歩むことになれば、乗り越えていかなければならない壁が、ある日突然現れるかもしれない。その時、事実を知らなかったら、ただ傷つくだけだと思ってたから、できるなら傷つけたくないなって。」
「・・・私なんかと・・・・・・・。」
「私なんか、じゃないよ。僕は村主さんのその真っ直ぐな所が本当に好き。だから、村主さんが引き返せなくなったときの事を考えると、今以上に踏み込めなかったんだ。」
そこまで考えていてくれたなんて。私は本当に彼を好きでいて、いいんだろうか。
「加持君。」
「なに? 」
「私は、加持君の事、好きでいていいの? 」
「うん。もちろんです。社会にある見えない壁を、僕と一緒に乗り越えていってくれるなら。」
「僕と一緒に」と、言う言葉に力が湧いてくる。大丈夫だ。私、加持君の事がこんなにも好きなんだから。
「私、加持君と共に乗り越えていきたい。ついていっていい? 」
そう言うと、彼は恥ずかしそうに微笑んで、私の方に右手を伸ばした。
「これからも、よろしくお願いします。」
テーブルの上に残されたパンケーキとピザとポテトの上で、加持君の手を、初めて、しっかりと、握った。
私は、この先、どんなことがあっても、絶対にこの瞬間を忘れない。