12月から2月迄、参禅者の体調を考えての「冬休み」、
3月から今年も始まった。
月一回午前6時スタート、通称「だるま会」とも言っています。



もう20年以上お世話になっている禅堂、燈明以外は消灯され
、ファン付きのストーブの明かりのみ。久々の感あり。
師家である老師はすでに着座、
6時と同時に「小鐘3つ」、スタートでした。
しばらくして、老師のお話が始まった。
「こうして、同じ場所・時間に座っていても、各自の思いは別々の筈です。
次々出てくるそんな思いを、抜け出すのにはどうするのか?、
そんなことが可能か等、仏の教えは、幾つものヒントがあるものです。
今日は、禅堂正面に「お釈迦様涅槃図」を設えました。

この図の意図は、皆様どのように見みられていますか、見たまんまだけを理解する人もいるでしょう、されど仏の教えは「生と死」の事を語っています。
この事を、今冬の大雪の様子を例にすると、勢いよく降っている時は「生」、
融けて消えいくときは「死」でしょう。この融けた水はすぐに植物の命になったり、蒸発をして次の雨にて、万物を生かします、
今の事象は次の世界へ生かされ続いているのです。
道元禅師様は、「生きらむか、死をあきらむかは、仏家一大事の因縁なり」
と諭された。すなわち現世での事実は 未来世へ伝えていく命の連鎖、
人間も含めた生きものすべては、その仕組みの中に組みこまれている。
涅槃図の中には、月1点が有る、人間の世界を離れた手の届かない仏の世界を作者は描かれたのでしょう。
八宗の開祖さま達もこの教えを同じ教え・文化としている、
それがこの絵の意図するところです。
坐禅も引き継がれる文化の一つとして、
命の連鎖を理解してほしい」
と老師は、結ばれた。
小鐘1つ、回向唱えられ、坐禅会は終了、
1炷(ちゅう)40分の坐禅会。何時もの参禅者全員の参加となりました。
この時期、真っ暗で始まり、雨だれの音とファンの音しかない静寂の時間
いつのまにやら、空は白け明けきって居ました、
この変化を感ずる唯一の月でもあります。

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