日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

予知

2007年09月14日 | 自然 季節


庭に水を撒いているときのこと。
羽を広げたら10数センチもあろうかと思える大きなクロアゲハ蝶が飛んでいることに気がついた。見ていると腰の高さほどを警戒感もなくのんびりと飛び続けている様に見えた。

花に止まる。長い足で大きな身体のバランスをとりながら蜜を採る。身体を支えるためか、一時も羽を休めない。数秒ほどで次の花へ移る、これを繰返す。

数本の花から蜜を採るとしばらく周辺をひらひらと飛ぶ。大きな蝶がゆっくりと飛ぶ姿は「舞う」という言い表し方によくあっているとあらためて感心した。しばらくするとまた花に止まる。

何度目かの蝶の舞を見ていた。と、それまでのひらひらから一転、恐ろしく早いスピードで一気に飛び去った。目で追うと2階の高さだった。そこで見たもの。

急に飛び去った蝶に、指の先ほどの大きさの虫が襲い掛かっていた。上昇下降を伴った数度の空中戦が展開された。数秒後、蝶はゆっくりと夕焼けに向かって飛び去った。奇襲を受けたが、勝負は蝶が勝った。ホットした。襲った虫の行き先は見失ったが、大型の蜂のように見えた。

ひらひらと舞っていながらも、いつ訪れるか知れない危険を察知することを怠らない、そのことが自然で生きる、子孫を残す大切な営みだとあらためて思い知らされた。

持ち出したカメラの回りをゆっくりと飛ぶ。忙しく動かす羽を止めてくれたら羽が綺麗に撮れるのに、そんな身勝手な思いは蝶に通じない。動かすことは敵への威嚇であり、万一のとき素早く対応できる備えでもあろう、と考えながら自分にその備えのないことを恥じた。

ところで、カメラを持ってしゃがんでいるこの人は無害と思って舞を見せてくれたのだろうか。
(写真:急襲される前、蜜を採っている蝶)
コメント (6)
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