あることで定年退職時の職場を訪問した。
後輩の顔、職場のレイアウト、事務所内の掲示など訪れるたびに変わっている。7年前の退職のころとは大きな様変わりだ。
応対してくれたのはI君。彼は20数年「同じ釜の飯を食った」1人だ。請われて数度の転勤を経験、期待通り成長した。
用件が終り立ち掛けたとき「先日の投稿を読みました」という。それは先月の終り、中国新聞の投稿欄「広場」へ載った「宣言なしの禁煙25年」のことだった。
その内容は、家族愛からの禁煙宣言を実行した元同僚と、宣言しないで禁煙を続ける自分の経験を紹介した、ありふれた日常のことだった。
I君は「部長がコピー、部下に回覧された」、それを読んだという。部長は喫煙者。部長の狙いは職責上からの禁煙推進の一助にか、同じ職場の元同僚の投稿だからか、それは分からない。前者のお役に立てればいいのだが。11月にお会いするので聞いてみたい。
喫煙者の居場所は少なくなった。訪れた事務所も1フロアー1箇所の喫煙所になっていた。経験から、禁煙したら、あの場所の会話とあの煙とその匂いが懐かしくなるものだ。
別れ際にI君、「私と同じ方法で禁煙した人がいたんだな、と思いました」と聞いてきた。「あれは君の事を書かせてもらった」と説明した。少し嬉しそうに「やっぱり」と言って右手で頭を撫ぜた。その癖は昔のままだった。
タイトルは同好会O代表のブログからコピーさせてもらいました。
(写真:同好会のブログタイトル)