
エッセイサロンに入会したのは1年前。初めて出席した例会で「新聞への投稿」もエッセイ上達の1つの方法と教えられた。
恐れもなく「彼岸花のころ」と題して初めて投稿した。数日後、サロン代表のOさんから「おめでとう。今朝の紙面に載っている」と電話を頂いた。年甲斐もなく喜んだことを今も記憶している。
いまも投稿を続けている。採用掲載されるのは、没になった投稿の何分の1かではあるが、紙面で自分の投稿を見たときの感じはなんとも言えない。
「彼岸花のころ」は、高卒の採用試験の不合格者についてその訳を説明するため学校訪問をしたときの心痛を思い出して書いた255字だった。毎年訪問の時期は、短い間だが燃えるように咲く赤い彼岸花の時期だった。
今、畦や山すそには彼岸花が盛りと咲いている。今年はその花を見ても、重苦しいかったあの気持ちが懐かしいように感じた。書いたことによって気持の何かが取れたのか、区切りがつけられたのかそれは解らない。
今、心の重い学校訪問をしているだろう後任者の姿を思い出しす。彼も車窓から彼岸花を見ながら次の学校を訪れる。
(写真:今を謳歌する彼岸花)