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釉薬の秘密

2014年10月12日 | 陶芸


 陶芸の最後の手順は釉薬をつける。その後は窯にお任せとなる。その釉薬とは、陶磁器の表面をガラス質にするためにかける薬品で、かけることで液体や気体などが浸み込まないようになる。教室には何種類かの釉薬が準備されている。使用前になると指導員が容器内の釉薬を手動攪拌機で均一にして使用状態にしてくれる。釉薬置き場には、釉薬がけの注意事項と釉薬ごとにつける時間、それは秒数が掲示され1秒から8秒という短時間。

 釉薬によって仕上がりの色が異なる。作品に見合った色合いにするため釉薬の選択には全員が神経を使う。年数は重ねたけど、重ねただけの色合いにはなかなか仕上がらない。たまに、思いもしなかった色艶に仕上がることがある。何かを間違えてそのようになったので、それを再現したくても処方が分からない。もしかしたら、それは逸品かもしれない。

 釉薬、その調整には細やかな神経が使われている。指導員は容器の中の釉薬を均一にするだけでなく、その濃度にも気を配っていることを知った。水溶性なので水分が蒸発すると濃度が増す。釉薬ごとに適正な濃度があり、フロート式陶芸用濃度計を使い適正な濃度に調整している。容器に2桁の数字が書かれているが、それが濃度を示している、と知った。

 適正な濃度の釉薬に注意事項を厳守し、所定の秒数したした時に最適の色合いになる、改めて説明を受け反省をする。長く多目につければいい色になるように思っていたが、大間違いだった。水を加え乍ら濃度調整する濃度計の単位は「重ボード」、高校時代の化学実習で使ったとおなじだ。そういえば、真剣に濃度調整したことを思い起こす。
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