昨年の夏、政府の「新しい資本主義実現会議」で、今後の賃上げや投資拡大のための方策についての議論の中で岸田総理は最低賃金について「2030年代半ばまでに1500円に引き上げることを新たな目標にすると表明」と報道された。次の目標として1500円が普通に語られるようになった。
日本の実質賃金は26ヵ月連続してマイナスとなっている。「このままでは庶民の生活は苦しくなる一方だ」と思うのは一般の感情だと思う。そこで最低賃金に注目が集まるが、こうした動きに矛盾ありと唱える経営者もいる。しかし、今春闘の賃上げ率を連合も政府も過去最高と褒めたたえているのは本心だろうか。
スーパーで見た光景。「1本108円、税込み117円」の値札の付いたキュウリを手にされていた高齢の女性が「やめとこう」とつぶやきながら箱に戻された。それは立派で、旬を味わえる商品と思ったが、いろいろ考えられての「やめとこう」と思う。秋の値上げ情報が報道される。10~30%の値上げ、どう対処したらよいのだろう。
旬のキュウリ1本を買い控えられた女性、本当の理由は分からないが、その時の様子から「食卓に乗せたい、が倹約しよう」という風に思えた。政治活動費から何十万円の飲食代領収書を公開する人らには決して分からない届かない小さな街の情報でした。
(今日の575) スーパーに並べて欲しい規格外