日々のことを徒然に

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苔むす

2020年06月06日 | 町かど

 散策の途中、ひと雨降るといい色合いになるだろうなと思いながら白壁の上に生えた苔を写していると「苔むすか」といいながら通り過ぎた人がいた。苔むす光景に何か思いがあるのかな、そんな感じを抱かせる年配の方の後姿だった。その人の後姿にひかれたわけではないが、感慨深げな言い方が気になり辞書で「苔」を引いてみた。

 苔は「木の幹や枝、岩、時には水中の石の上にもみられる花の咲かない小形の植物の俗称」と載っている。あちこちで目にする植物で、悪いが雑草のように邪魔扱いはされないどころが、苔に一面が覆われると歴史や古くからのいわれなど千代にやちよの流れを思い出させる恵まれた植物だ。通り過ぎた人の記憶にある苔はどんなものだろうか。

 苔むすの「むす」生えるという意という。苔むした白壁ではあるが、本当は外壁として築かれ外からの侵入を防ぐ防備だった。散策で城下と言われた界隈を通ると、大きな屋敷跡には今も面影が残っているが、次第にその姿は現代風に変わりつつあり、数は少なくなっている。

 苔むすはそれなりに意味を持って使うが、何もしないとしりに苔が生える、とお叱りを受ける。苔にまつわる戒めのことわざがあった。「転石苔を生ぜず」同じ意味で「転がる石には苔が生えぬ」がある。何事も腰を落ち着けて当たらないと、身に付くものがなく、大成しない。活動していれば時代に遅れることはない。活発な行動をしていれば常に健康で生き生きしているなど複数の解説がある。参考にしよう。
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