ある待合室の書架で「錦帯橋かいわい」という一冊が目についた。日の出を迎える橋の陰影が目につく。手に取り繰ってみると、錦帯橋周辺の在りし日の様子が写真とともに載っている。知った顔や商店街や行事など懐かしい。以前ご当地検定を実施したことから、こうした記事などへの興味が続いている。発行は中国新聞社で2005年3月とある。書店購入は無理だと初めて本を通販購入した。
昨年は錦帯橋創建350年で各種のイベントが開かれ、錦帯橋への関心が高まった年だった。
掲載の写真を眺め、記事を読むと、かつての街の賑いや活気が昨日のことのように蘇り、読み終わった頁をしばらく見つめる。記事にある名前の人らの姿には活躍されていた姿を思い出す。
しかし、時の流れとはいえ、今は掲載の店々を含む多くが閉店や移転などで閉まり、シャッター通りとなっており、残念ながら収録された頃の賑いは消え、人通りもほとんどなく、あたりは寂しくなった。
この界隈はよく散歩している。読後感、ここは錦帯橋から数分と掛からないに場所にある。ここを昭和時代の商店街に復活をさせれば賑いが戻るのではと、夢のような空想が湧く。現実は今風に建て直しの新築や更地は駐車場に変わるなど、時代姿を残すのは容易ではない。そんなことを思いながら、数年前、百年続いた店を閉じる女店主が「涙は枯れました」という潤んだ声は忘れられない。
(今日の575) 小店は大型店に蹴散らされ
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