a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

密陽演劇祭Ⅴ -『セチュアンの善人』韓国公演

2007-08-11 14:24:48 | 旅公演
8月5日(日)

昨日の打ち上げは、
もちろん昨日で終るはずもなく、
朝まで、というか朝食時間まで続いたようである。
その打ち上げで、
この演劇村の村長さんのハ・ヨングさんが話してくれたことを、
忘れないうちに書いておこう。
彼は、劇団コリペのナンバー2の男。

韓国伝統舞踊でもトップの人で、
お父さんが人間国宝であり、
彼も将来は、そうなると約束さpan>れている人だそうだ。

僕らが着く前に、
セミナー講師のフランス人ダンサーと、
彼の即興ダンスコラボレーションがあったと言う。

それもかなり良かったそうな。
観てみたかったなぁ。
ということは、
さて置いといて、
彼はこんなことを話してくれた。

「今までの日本の演劇は、
がなって、セリフが聞きづらく、
とても難しいという印象があった。
しかし、あなた方の上演は、
そういう日本の演劇のイメージを払拭してくれた。
この7年間の演劇祭に、
毎年2劇団くらいが来ているのだが、
それらの劇団が作ってしまったイメージを変えてくれた。

(この中には、日本を代表する小劇場系の劇団もあるんですよ)
芝居の最初から、
静的エネルギーがずっと最後まで持ち続けていた。
日本語の美しさが、聞こえたきた。
それから照明も良かった。
角度や、拡がるところは拡がり、
集まるところには集まるというのも、美しかった。」


そう言ってくれました。

横でメモしたので、
デフォルメしてないと思います。

それから朝まで打ち上げてたTちゃんから聞いた話。
彼はボランティアで手伝ってくれた学生さんたちと呑んでいた。
仕込みの時から、
だいたい同じ顔ぶれの5人くらいの学生たちが手伝ってくれた。
たまたま打ち上げの時も、
通りかかったというか、
隣りで呑もうとしていたようなので、
こちらに引き入れて、
何語か分らん言葉で大交流会になっていた。
彼らは総じて、
レベルの差はあれ、日本語ができる。
おそらく日本に興味のある子たちが、
僕らの公演のサポートにきてくれたのだろう。

昨日も載せたけど、
このへんみんなサポート軍団。
話してるのは、ちょっとお姉さんのNちゃん。
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そんな彼らが言っていたこと、
ちょっと驚いた。

「君たちは変な日本人だ。
君たちの前に来ていた日本の劇団は、
ここの食事が合わないとかで、
一度も食堂で食べなかった。
外へ行っていたようだ。
それに、こんなにフレンドリーに挨拶しない。
仕込みやバラシの時も、
紹介なんかされなかったし、
“仕事”という感じだった。」

とのこと。

ちなみにもんPチャンの日記では、
公演が満席で、
彼らも観れるか不安だったとか。
大丈夫、

日本から座布団持ってきましたから、ね。指でOK
無事座席に座れましたけどね。

ええ~exclamation ×2
平気で食ってました。
僕たち。
全然大丈夫でした。
いや、

せっかく出るのに、もったいないじゃん?!
ねぇ。
金持ってンなぁ、というか、
贅沢だなぁ、というか、
このフェスティバルを満喫できてないなぁ、という印象。

でも、これまでの日本の劇団、
何してたんでしょうね。

それとさらに、
「こんな風に一緒にお酒を呑むなんて、
考えられなかったよ」

だってさ。

うれしいねぇ。
そんな彼らに、
じゃぱに~ず・そじゅプレゼント。
芋焼酎に、泡盛。
ま、それを開けて呑んじゃったらしいけど、
うちの劇団員が・・・。
あげたっつうにのにぃとっくり(おちょこ付き)

Tちゃんが、彼らに、
「You are most important
person.」

と言ったら、
涙ぐんだ学生もいたとか。
純だね、いいねぇ。

そうそう、この打ち上げ、
ドイツ人演出家のエンリコも合流。
彼との話もおもしろかったけど、
それはまたの機会に。

何だか、前日の日記の続きになってしまったが、
そんな状態で、
シャワー浴びて、朝飯食ったら、
出発。

朝飯はちなみに、↓撮り忘れたので、イメージ。
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例の劇団バスにて、
出発。
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再びの密陽駅。
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KTXの4人席に、それぞれ分かれて、
一路ソウル駅へ。

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ひたすら、寝る。
車窓の写真、ありません。

ソウル駅では1時間ちょいの自由時間。
さぁ、みなさん、
荷物番してますので、大いにお土産買いにいいてください!
てのに、
みんな行かないでやんの。
ちょっとぶらぶらして、
結局行きに入った大食堂で、みんな食事。
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そういえば、チゲは今回初。
テンジャンチゲ。豆腐チゲですね。

その後、
リムジンバスに乗って、寝る。
インチョン空港でもんPちゃんとお別れ。
考えたら、
ホントに旅の最初から最後までつき合ってもらって、
助かりました。
チョンマロ、ヨロブン、カムサハムニダ。

帰りの飛行機はちょっと遅れましたが、
無事成田到着。

出発前には、
予期していなかったほどおもしろかった。
また行きたいかと聞かれると、
考えますが、
でも、行って良かったですよ、ホント。
これまでとは違った、
韓国食に囲まれ、
韓国の演劇人に囲まれ、
ついでに、ドイツの演劇人に囲まれ、
それはそれで、幸せな5日間でした。


最後に、舞台での集合写真です。
写真

密陽演劇祭Ⅳ -『セチュアンの善人』韓国公演

2007-08-11 14:00:35 | 旅公演
8月4日(金)



昨日の初日は、予想通りと言うか、

怒涛の公演となった。
と言っても、
そうだったのは、字幕チームで、

その他は落ち着いた感じだった。
昨年のベルリン公演の経験は、
ここでも生かされてるなぁと思った。


公演直前、

突然の雷雨。雷
うちの劇団の初日は雨が多い。

僕が劇団に入った頃に亡くなった制作の森谷さん。
彼は曰く付きの雨男で、
初日が雨になると、
「あ、森谷さんが観に来た」

なんて言ってたりする。
でも、
昨日は違う。
昨日はタリさんの誕生日。
雨どころか、雷とともに現れるなんざ、


タリさんらしい。 雨雷

一瞬、ほんの一瞬ね。


朝方、
「おもしろかったと」の感想をたくさん聞いたと、
通訳のイ・ミリンが教えてくれた。

終演後にも、その余裕がなくて、
ようやく感想を聞けた。


この日は、夜の公演まで自由時間。

さすがの疲れに10時過ぎまで起きれなかった。
朝礼、さぼっちゃいました。
うちの部屋、全員。

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ということで、
朝食も食いそびれ、午前中はこの日記を書いたりだらだら過ごす。

お昼は演劇村の出たとこにある唯一の飲食店に冷麺を食いに行く。

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演劇村周辺の風景。
この唐辛子は、密陽の名産とのこと。



ところが!

この冷麺屋が、なんと!

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焼肉屋でもあったぁ!!!
今回のシリーズではあきらめていた、

夢にまで見た焼肉・・・ぐふふふ。

サムギョプサル↓、

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テジカルビ↓、

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冷麺↓、

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食べちゃった。
毎日のキムチ食に飽きてたので、
ちょっと冷麺でも、と思っていたのが、

思いがけずご馳走に。


一緒に行った人も、
何か、元気になりましたよ、ホント。

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午後には、
上演料の受け取りに、
事務局に。

日本円と違って、10,000ウォン札までしかなく、
その札束のすごいこと。
さすがに、びびる。

金額はたいしたことないんだけどね・・・。


残る時間は、昨日の字幕の直し。
今度こそは、ね。

準備万端。

で、夕食。

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開場時間には、まだちらほらとしてたお客さんも、
開演時間になると、満席状態。

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イ・ユンテクさんもやってきて、
ど真ん中の座布団に陣取る。

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空間としては本当に狭く、
うちの芝居小屋を一周り班くらい狭くした感じ。

舞台の飾りがちょっと地味な印象。
それでも、雑多な路上の雰囲気と、
象徴的に置かれた鉄の木は、印象的。

睦のシェンテに、初めて涙した。
いかんねぇ、涙もろくて。
昨日は集中して観れなかったというのもあるかもしれないが、

切なくて、引き裂かれそうな思いが、
強く前に出てきていた。
まだまだ課題はあれども、
ちょっとほっとした瞬間。

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字幕も順調で、
おかげさまで、ほぼパーフェクトだったと思う。

途中、野暮用で抜けてたイ・ユンテクさんも戻ってきて、
芝居の終わりにいち早く拍手をしていた。
「ブラボー!」と声もかけていた。

終演後の挨拶では、
浅ちゃんの挨拶の後、
彼も舞台に出てきて、話をしてくれた。


韓国でのブレヒトの上演は、難しく、

その中でも、『セチュアンの善人』は難しい。
楽しいのが芝居と思う人には、
難しかったかもしれないが、

(韓国ではその傾向が強いようだ)
演劇と言うものが、世界をどう見るのかということを、
再現する芸術と言う意味で、

まじめな上演だったと思う。
この劇場の薯B落とし公演として、
この作品を選んだことに間違いがなかった。

まさにふさわしい公演だったと思う。
まじめで、お洒落で、
印象的な芝居だった。

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なかなか、最高の賛辞でした。

うん、最高。


そのまま怒涛のバラシ。

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ボランティアの学生たちが良く手伝ってくれて、
22時前には終了。
その後、劇団コリペの代表作『オグ』を観劇。

満席とのことだが、
最前列に地べたに座って見せていただきました。
ユンテク氏が、「イルボンチーム」とか言って、

チケットなくてもがんがん入れてくれる。


昨日も思ったけど、
かなり、この野外劇場いい雰囲気。

森の劇場と名づけられていて、
バックに森があって、
周りも自然に囲まれていて、

『銀河鉄道の夜』なんかやったら最高だろうなぁ、と。


芝居はとにかく勢いがあって、
みんな芸達者。
女優さんはきれいだし。

歌もうまいし。
楽器なんかもできたりして、
言うことなし。
ただ、うちの傾向とは違うかなぁ。

俄然『肝っ玉おっ母・・・』がどういう上演だったのか、
気になってくる。


そして、ビアガーデンで打ち上げ。

「ある程度まではおごり」ということだったので、
張り切って呑み始めました。
持ってきた焼酎や、
お土産に買ってたマッコリ、

いろいろ呑みました。
食べ放題分は、
思ったより少なかったけど、
でも、飲み物はかなり出してもらったので、
満足。


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団長と、もんPちゃん。

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通訳のイ・ミリンちゃん

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重さんと、ブレヒト・シンポジウムパネラーの市川先生

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舞台では、手厚く紹介されたので、
『好きな男といきたいの』♪ 熱唱るんるん



2時半頃にいったんお開き。
僕はここで退却。
それぞれ朝までコースと、
交流を深めていたようだ。