a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

『夜の空へ翔ける』まで。

2008-08-20 11:51:32 | 東京公演
稽古場は読み稽古が佳境に入っていて、
いよいよ明日からは立ち稽古。
東京演劇アンサンブルの稽古は、
テキストを大切にし、
戯曲に書かれた“言葉”を大切にしています。
そこに何が書かれているのか、
そのことを追求する読み稽古は、
かなり重要視され、
たっぷりの時間がとられます。

そんな中、
稽古が終わると、
大道具、小道具、衣裳、パンフレット編集と、
まだまだ仕事が沢山あります。
今回の公演では、
サン=テクジュペリの生涯ということで、
舞台の真ん中にどど~ん! と、
飛行機があります。
その飛行機の製作も、
舞台監督の元太を中心に、
明日の立ち稽古に向けて急ピッチに進んでいます。
今回は公演まで、
ブログにて、写真を添えて、
稽古場の様子を伝えられればな、と思っています。

今日の飛行機




『夜の空を翔ける』
2008年9月11日~17日
ブレヒトの芝居小屋


それから、
以前ご報告したかわさきおやこ劇場の子どもキャンプの感想文が、
参加者から届きました。
これまたシリーズ(?)でお届けします。

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キャンプを終えて

 8月1・2日、かわさきおやこ劇場の子どもキャンプに参加した。今回は来年3月の例会『銀河鉄道の夜』の土台作りのキャンプで、賢治作品の朗読。果たして朗読が苦手な私が人に聞かせるだけのものが出来るのかと不安はあったが、賢治作品の朗読に挑戦したい! という思いと、かわさきの人たちとじっくり話をするチャンスだと思い参加することに決めた。
 作品は『どんぐりと山猫』と『朝についての童話的構図』。『どんぐり・・・』は楽しくて不思議な話、『朝について・・・』は透き通るような詩的な文章が(短い物語の中に)とても印象的だ。私たちの朗読で「童話でしか表せない賢治の童話世界」を観客にどれだけ伝えることができるのかの挑戦もあり決定。自主稽古のほかに、羽鳥さんに稽古を見ていただいたことはとても勉強になった。文章を塊で読む、頭ではわかっていてもこれが本当に難しい(これは朗読に限らずだけれども)。賢治の書きつけた言葉を、余計なものをいれずに読む。一つの作品、一つ一つの言葉をじっくり丁寧に教えていただいたことはとても貴重な時間だった。
 本番の会場はロケーションが抜群の部屋。美しい西湖をバックに、心地よい風を肌で感じながらの朗読。部屋も声を張らずに語りかけができる広さだったことも幸いだった。朝からのハードスケジュールにもかかわらず、3グループとも真剣に聞いてくれた。会場・垂れ幕作り、AとChiと5人で作ったその空間の中で、G.Pの硬さも徐々に取れ(多分・・・)、いい緊張の3回の本番を迎えられたと思う。他の2人の呼吸を感じられ、相手の言葉を楽しめた。その後の合評会では一人一人、感想を自分の言葉で素直に語ってくれ、奥の深い感想が出たり、逆に私が改めて気づかされたりと刺激ある合評会だった。
 キャンプを通して改めて感じたことは、かわさきおやこ劇場の人達のパワフルさと話すことの大事さだ。話をしていくこと、他者と認め合うこと。仲間とそれを繰り返し繰り返し重ねて実行していく信念の強さは私を奮い立たせた。
円座になって地ベタに座りながら、朗読のことキャンプのこと「ほんとうの幸い」について話をできたことも、一泊二日キャンプを一緒に作っていけた事は私の貴重な財産になった。

(Yu)