a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

キシノウに刻む足跡  a letter from MOLDOVA 4

2013-06-06 06:03:15 | 旅公演


モルドバに来て、5日目。
劇団員は、だいぶ適応してきた。
というか、
あまりに昼、夜、時間がないので、
みんな朝散歩などして、
少しだけ、キシノウの雰囲気を味わっているようだ。
今日の午前中は、唯一のフリータイム。
イオネスコ劇場の俳優・エミリアと、
日本語通訳ボランティアのアーニャとダーシャに連れられて市場へ。
お土産の露店などを見て回る。







夕方には劇場入り。
並行して七字さんが日本演劇についてのレクチャーをしているが、
我々はバラシのためのミーティング。
仕込で苦労したように、
当然バラシも苦労する。
通関もあるため、慎重な荷積みとなる。
さて、何時に終われるか…。



本日の観客も、
1日目とほぼ変わらない感じ。
8割は埋まったろうか。
この辺は、当日までわからないと聞いているので、
ほっとする。



みんな1日目の手ごたえを実感し、
より精度の上がる舞台へと向かっている。
昨日に続いて、もう一度、
イオネスコ劇場に来た人たちが、
ずっと語ってくれるような、
そんな公演にしたいと思う。

少し遅れて開演。
昨日同様、
反応は良い。
舞台と一体となって、
笑っている様子がおもしろい。
日本ではこういう芝居、
ちょっと面白いセリフがあったって、
こんな反応はしてこない。
海外での公演のおもしろさと、
作品が伝わっている実感が、
より舞台にいる俳優をその気にさせていく。
もちろん、
その気がないなんてことはない。
ただ、
さらに体験したことのない経験ができるような気がするのだ。



演劇は、その時、その時、
一瞬、一瞬の芸術だ。
そのことを、
体験しているのだ。
いま、その瞬間を、
舞台と客席が共有している。
そんな空間。



今日も初日に続いて観客から大きなスタンディングオベーション。
カーテンコールに慣れていない僕たちは、
昨日よりも、もっと、と思って練習したけど、
まぁ、
ちょっとぎこちない。
でも、
それだって、新鮮。



間違いなく、
ひとつの足跡を残したと思う。
終演後の観客の様子から、
そんなことを思う。

その後、
バラシ。
フェスティバルだと、こういう強行日程となる。
わかっている。
20時の終演から、
結局、日をまたぎ25時過ぎまで。
とにかくヘロヘロだ。

それでもキシノウ最後の夜。
連れ立って通称“バズーカ―ビール”へ。
朝方まで???
僕は、初めてのスライドオペが終わり、
どっと疲れて、
早々に就寝。
モルドバ最後の夜が、更けていく・・・・・・。