モルドバに来て、5日目。
劇団員は、だいぶ適応してきた。
というか、
あまりに昼、夜、時間がないので、
みんな朝散歩などして、
少しだけ、キシノウの雰囲気を味わっているようだ。
今日の午前中は、唯一のフリータイム。
イオネスコ劇場の俳優・エミリアと、
日本語通訳ボランティアのアーニャとダーシャに連れられて市場へ。
お土産の露店などを見て回る。
夕方には劇場入り。
並行して七字さんが日本演劇についてのレクチャーをしているが、
我々はバラシのためのミーティング。
仕込で苦労したように、
当然バラシも苦労する。
通関もあるため、慎重な荷積みとなる。
さて、何時に終われるか…。
本日の観客も、
1日目とほぼ変わらない感じ。
8割は埋まったろうか。
この辺は、当日までわからないと聞いているので、
ほっとする。
みんな1日目の手ごたえを実感し、
より精度の上がる舞台へと向かっている。
昨日に続いて、もう一度、
イオネスコ劇場に来た人たちが、
ずっと語ってくれるような、
そんな公演にしたいと思う。
少し遅れて開演。
昨日同様、
反応は良い。
舞台と一体となって、
笑っている様子がおもしろい。
日本ではこういう芝居、
ちょっと面白いセリフがあったって、
こんな反応はしてこない。
海外での公演のおもしろさと、
作品が伝わっている実感が、
より舞台にいる俳優をその気にさせていく。
もちろん、
その気がないなんてことはない。
ただ、
さらに体験したことのない経験ができるような気がするのだ。
演劇は、その時、その時、
一瞬、一瞬の芸術だ。
そのことを、
体験しているのだ。
いま、その瞬間を、
舞台と客席が共有している。
そんな空間。
今日も初日に続いて観客から大きなスタンディングオベーション。
カーテンコールに慣れていない僕たちは、
昨日よりも、もっと、と思って練習したけど、
まぁ、
ちょっとぎこちない。
でも、
それだって、新鮮。
間違いなく、
ひとつの足跡を残したと思う。
終演後の観客の様子から、
そんなことを思う。
その後、
バラシ。
フェスティバルだと、こういう強行日程となる。
わかっている。
20時の終演から、
結局、日をまたぎ25時過ぎまで。
とにかくヘロヘロだ。
それでもキシノウ最後の夜。
連れ立って通称“バズーカ―ビール”へ。
朝方まで???
僕は、初めてのスライドオペが終わり、
どっと疲れて、
早々に就寝。
モルドバ最後の夜が、更けていく・・・・・・。