a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

行ったり来たり ~気づいたり~

2024-03-12 21:00:00 | 稽古場ブログ
はじめまして。
今回初めて東京演劇アンサンブルに客演させていただきます、ハヌシュ夫人役の西井裕美(にしいひろみ)です。
歴史のある劇団とはどういう雰囲気なのだろう、馴染めるだろうか・・・と不安いっぱいだった2ヶ月前からは考えられないほど、のびのびと居させていただいていて感謝です。

私は普段フリーで活動しているのですが、翻訳劇且つ年代も異なる作品に関わるのは、実はかなり久しぶりです。
生き方も価値観も自分とは異なる人物を演じることに、難しさと面白さを感じる日々です。

今回の作品は茶番劇なので、言うまでもなく馬鹿馬鹿しいやりとりがふんだんに描かれています。
最初台本を読んだときは、「そんな訳ないでしょ」ということのオンパレードだと思っていました。けれど稽古を進めていくうち、誇張されているやり取りの中に、人間らしさを感じるディティールが込められていることに気付かされました。
そもそも人間は不完全な存在で、それを俯瞰して眺めたときには「茶番だ」と感じるものなのかもしれません。ホルヴァートは茶番と称しながら“現実“を描くことに命を燃やしていたのでしょうか・・・愚かさも含めて肯定するような人間愛を感じます。
なんてことを考えつつも、純粋に楽しんでいただけたら嬉しいです。
物語のラストが感動的に映るのか、それとも・・・

今回は歌もたくさん歌われます。劇中歌はすべて、monjeという昨年デビューしたばかりのアーティストの書き下ろしです。
彼らの楽曲で私のお気に入りはFragranceです!
https://youtu.be/cfhwE9FZkMA?si=mHvw5YA6_T7Mr4tp

1930年代に書かれた戯曲と、2024年最先端の音楽との斬新なコラボで、面白いものが生まれる予感がしています。
お時間ありましたらぜひお越しください。



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東京演劇アンサンブル創立70年記念公演 第一弾
  行ったり来たり

エデン・フォン・ホルヴァート/作
大塚直/訳・ドラマトゥルク
公家義徳/演出

2024
3/23 (土) 14:00★
3/24 (日) 14:00★
 野火止RAUM

3/28 (木) 19:00
3/29 (金) 14:00/19:00
3/30 (土) 14:00/19:00★
3/31 (日) 14:00
 すみだパークシアター倉

全席自由
前売一般/4,300円 
前売U30/3,300円
★=Low Price Day/3,000円
当日/4,800円

Staff
音楽/monje
舞台美術/公家義徳
衣裳/稲村朋子
照明/真壁知恵子
音響/島猛
舞台監督/永濱渉
宣伝美術/本多敬 永野愛理
制作/小森明子 太田昭

Cast
ハヴリチェク/永野愛理
サメク/洪美玉
エーファ/福井奏美
コンスタンティン/雨宮大夢
ムルシツカ/浅井純彦
ハヌシュ夫人/西井裕美(フリー)
X/原口久美子
Y/志賀澤子
個人教育者/二宮聡(フリー)
その妻/鈴木貴絵
レーダ夫人/町田聡子
シュムッグリチンスキー/小田勇輔

公演詳細、チケットのお申し込みはHPにて


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