空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

国会議長が言っていい発言ではない

2019-02-09 11:41:02 | ノート
Bloomberg 従軍慰安婦問題は天皇の謝罪の一言で解決される-韓国国会議長 2019年2月8日 17:50 JST 更新日時 2019年2月8日 18:38 JST

文在寅大統領に近い文議長(73)は7日のブルームバーグとのインタビューで、「一言でいいのだ。日本を代表する首相かあるいは、私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。そのような方が一度おばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言いえば、すっかり解消されるだろう」と語った

文在寅大統領に近い」という形容句でなにかしらの重大な、水面下からの示唆があるかというふうに匂わせる雰囲気を漂わせているが、単に私見と評価せざるをえまい。なにしろ、政府間合意を『条約とかじゃないから☆』で蹴っ飛ばした前科があるわけで、こういう曖昧きわまる発言を真面目に取る必要性も必然性も信用もない―という評価になろう。

 それにも増して問題なのは「私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか」であり、重大な論点がふたつ隠れている。

 まず、「親の罪が子に報い」という論点にすぐさま移りかねない点。日常的な感覚では、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というのは非常に解りやすいが、それを社会的なレベルまで、国家的なレベルまで引き上げるのは、近現代社会的には忌避すべきものだ。



 ヒトラーに子はいなかったが、そうだな、スターリンの娘はどうか、とか。個人的に恨みに思い続けるのは個人の自由だが、公的に責任追及するのはアウトだぞ、というのが原則のはず。



 また



 天皇の政治利用はナシ、禁じ手とした戦後日本の原則に関わる、というのが二点。この点の裏というか、付随事項と言うか、論理的関係が極めて強い個々人の内面に隠れている心情として「天皇が国政を総攬する国家になって欲しい」という天皇への夢と希望があふれているのも非常に難。すくなくとも人民主権を正面から否定する発言であり、つまり首相(現行の体制だと主権者たる全国民の代表者)がなんぼあたまをさげても一切無価値であるという思想であり―

 ―国民から選ばれた議員たちの長、国会議長のような立場の人間が言っていい発言じゃないんだよ…。
 …全人民の負託に対する、全面的な叛逆になっちまう…いやまあ、韓国のそれだから、日本の人民には関わりないのではあろうけど、となると、日本人に対して「おまえらの選挙?とか?全く無意味だと思ってるんで、そーゆー理解でヨロシク」と、これまた正面からの喧嘩売りになってしまう…。

 …今の日本の体制から言えば、天皇はただの象徴、お飾りであって、なんらの政治的意味を持っていない建前のはずなんだから。いや首相なりなんなりの認証に関わっているから、ンな建前とやらは本気で建前に過ぎないというのも事実だが。

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