どこから、どのように政治的資源を調達するか―という問いを立てると興味深い話題

産経新聞 群馬・草津町長が提訴　ライターや町議３人に慰謝料４４００万円求め 2019.12.16 18:23

「町長室で性交渉をしたなどと事実に反する内容を電子書籍に掲載され、名誉や人格を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長（７２）は１６日、同町の新井祥子元町議（５０）とライターの飯塚玲児氏（５３）、中沢康治町議（８５）に慰謝料４４００万円と記事の削除、謝罪広告掲載などを求め前橋地裁に提訴した」

「訴状によると、飯塚氏は１１月１２日に配信された電子書籍の中で、新井氏が平成２７年１月８日に町長室で黒岩町長から強要され、性交渉をしたとの事実に反する告白を町長に確認取材することなく記載し、町長の名誉を傷つけ重大な人格権侵害をしたとしている」

　それでこの町議の懲戒・職の剥奪まで至り、国際的な問題になりましたねと呼んでもいいでしょうね。

BBC Woman 'crushed' by Japan town vote after alleged sex assault by mayor 3 hours ago

　まあ、で、どこをどう揺るがして、そこから生じた動揺をどのように自派の政治的資源として転用できるか―という課題として捉えると、まあ、この町議さんの人生は成功ではあるんでしょう。そういう「成功」がどれほど望ましいか、ひとにどれほど望まれるかはともかく。

沖縄タイムス 守口市議会、維新市議に辞職勧告　４人に「コロナ対策の事務妨害」 2020年9月30日 18:52

秋田魁新報 守口市議会、維新市議に辞職勧告　４人に「コロナ対策の事務妨害」 2020年9月30日 掲載

「大阪府守口市議会は３０日の本会議で、新型コロナウイルスの緊急対策遂行中に行政事務を妨害し、混乱させたなどとして、土江俊幸代表ら大阪維新の会市議団の４人に対する辞職勧告決議を賛成多数で可決した。法的拘束力はない」

「本会議ではこれに先立ち、市の職員がコロナに感染した際の対応を巡り人事課長らに強い口調で質問したり、一方的に非難したりして精神的負担を与えたとして、４人に関し「辞職勧告が相当」とする報告書を賛成多数で可決」

　こちらも同様。公務員をなじって、そこから資源を調達しようとする手法。程度問題は、そりゃあありましょうね。

　安倍（前）首相をしばきあげるのも、まあある種の政治的資源調達の方法だったといえる。あんまり気楽にやりすぎると、その、どこかしらに突き刺さることがあるので、そうまでお奨めしないのだが。

これを安倍氏の立場にたってみると、こういう言い訳は「かりにも日本の首相だった自分は実は、一番身近な秘書の監督さえできず、秘書がついたウソにやすやすと騙される無能そのものの人間だったんです」と告白するのと同義。そんな恥ずかしいことは死んでも言えない、というのが普通の感覚ではないか。

— 山田邦和 (@fzk06736) December 18, 2020

　これはなかなか面白い。
　あるいはこれは、安倍前首相の人徳、功績として挙げることができるかもしれない。

　というのは、こういうことだ。

　反自民党の立場に立つような運動家の一部には、非常な不品行が指摘されることがある。まあ、連続強姦だの習慣的強姦だの組織的強姦だの集団リンチだの。

　そんなふうな自分について、『悪逆非道な自民党・アベ政治・スガ政治を糾弾する私に、そんな不品行があるだなんて、そんな下劣な人間であっただなんて、そんな恥ずかしいことは死んでも言えない』という「普通の感覚」を抱くのは、まあ大いにありえることなのだろう。

　いや、そこは、そんな下劣低能アベごときでさえ告白できたんだ、それよりは多少（以上）はマシな、あるいは人格者である反政府運動家には、正直に自分の不品行を告白することくらいできるだろう…と。そんな見本を示したことになるのかもしれない。

　―それさえできないなら、アベ以下という事で宜しいか？という。