空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ウガンダ兵の憂鬱とロシア・タリウム中毒の件続報

2007-03-08 16:08:56 | ソマリア関連
 昨日の記事「ソマリアとダルフール:AU平和維持軍の受難」の続報。この火・水とウガンダ軍はソマリアに到着しつつあり。これに対する攻撃も連続する。今度は待ち伏せ攻撃を受けた由:

BBC News, Africa African force ambushed in Somalia

 その際発生した銃撃戦で民間人に負傷者が出た(3名)。イスラム法廷連合の指揮官という人物がラジオで言うには,今こそソマリアの若者がエチオピア並びにその他の国の占領と戦うべき時である,ムスリムは不信仰の者に降伏しない…。
 …とりあえずムスリム(であろう)ソマリア人を(怪我させてはいるが)殺していないことは,イラクのInsurgentsよりましではあります。ソマリアの場合,民間人負傷者が出たのは巻き込まれたからだというように読めますね。…それも大概な話ですが。イラクの場合,まるで民間人殺しが活動の目的になったかとさえ思えてきますし。

 なおロシアのタリウム事件(「ロシア,アメリカ人母娘タリウム中毒事件」)の続報もあり:

BBC News, Europe US women in Russia poison scare

 在モスクワ,アメリカ大使館が母娘のタリウム中毒の件を確認。ニュースの母娘はソビエト時代の生まれ,80年代に米国に移民したものである由。ロシア当局は,容態は回復しつつあると言っているそうです。めったなことではタリウム中毒など起こるものでもありますまいが,詳しい事情は未だ不明。


 3月8日23:00追記
 上掲BBC記事African force ambushed in Somalia
が書き換えられています。ウガンダ軍第三派が来て兵力は1200名に達す。一方…Insurgentsがウガンダ軍車両に向けて攻撃,逸れてレストランに直撃,民間人9名死亡。

 …ということは食堂があるような商業地区で戦闘を仕掛けた? つまり民間人犠牲者が出るのも厭わないと?
 …一連の攻撃は,文脈からしてUIC側の仕掛けたものでしょう。UICには,権力を握っていた間は(彼らなりのやり方で)治安を維持した"実績"があった。しかしレストラン直撃9名殺害,これは非常に重い失点だ。民心は彼らから離れてゆくでしょう。

 治安を乱し,エチオピアやAU平和維持軍,ソマリア当局の統治能力に疑いを持たせ,ソマリアの真の守護者として政権を再奪取する-というのが本来あるべきシナリオでしょうに。その望みはほぼ絶え果て,今や"圧制者への抵抗"が自己目的と化しつつあるものか。

 当局側への民衆の信頼を失わしめても,その分はUICに自動的に振り替えられるわけではない。単に民衆が政治への信頼を失うだけだ。こんなスマートな批評がすぐ出てくるほど私の頭はよくはない。参考頁:Koji.net Opinion : 相対的な勝ち方と絶対的な勝ち方 (2007/2/5)。…直接貼り付けるのはよろしくないかもしれないので,入り口(Koji.net:テクニカルライター・井上孝司)も明記。万が一,ご本人様ご覧の際は,このことお許しください。

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