空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

モガディシュ,バカラマーケットで迫撃砲弾による死者発生―ソマリア

2007-12-14 19:27:07 | ソマリア関連
 ソマリア首都モガディシュの商業中心地,バカラ・マーケットに迫撃砲弾が着弾,17名以上が死亡の由:

BBC news, Africa Deadly bombing in Somali market Thursday, 13 December 2007, 16:42 GMT

 40名からが負傷。BBCが伝えるところでは,この砲撃の背後にはエチオピアが存在すると伝えられる―という。
 もしそうだとしても,あの,別にエチオピア軍が無差別攻撃したってわけじゃなく,抵抗組織と戦闘している,その流れ弾であるわけでして(Shabelle.net Somalia: stray mortars kills nine inside Bakar Bazaar in Mogadishu 13,Nov.07)。どっちの弾か,判るほうが怪しい気がしますけどね。ちなみにVOAはイスラミストの所為だという:Islamic Insurgents Shell Mogadishu Market, At Least 13 Dead 13 December 2007,ナイロビ発。
 混戦状態の市街戦。両勢力とも,相手方のせいだというでしょう。

 ともあれ,飛翔物体の着弾はあちこち飛び火しかねない様子:Shabelle.net Somalia: missiles landed at some parts of the Somali capital Mogadishu Mogadishu 14,Nov.07。首都内YaqshidおよびDaynile地区に着弾,新たな避難民を生み出した模様。
 missileとあるからにはきっとアメリカに供与をうけたアメリカの手先のエチオピアの攻撃に違いないわ!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが,この場合"飛び道具"ほどの意味でいいのじゃないでしょうか。…いや確証はありませんけど,5発も「ミサイル」が着弾したら,並みの居住地帯なら丸ごと消滅しませんか。流れRPGでもなんでも,可能性はそれなりにありそうではあります。

 ああまた,ソマリア事情について『アメリカの世界戦略の糸』云々なんてもの見かけましたが,エチオピアにしろ日本にしろ,あの近辺で事を起こしたり,事に関与したりする理由はそれなりにあるわけで(隣国に友好的政権を確立させるとか,国民生活・産業に不可欠な物資の安定供給路の確保とか)。してみるとその観点から,米国の諸資源を利用するという理解もありえそうですが,そーした方々はそういう見方は考えないものでしょうかね。

 さて,上掲引用記事中に,ソマリア政府治安関係者が,国内80%に政府の支配は及んでいない云々言う旨,言及がありますが,だからといってその80%みな反政府でUICでソマリア再解放連盟だというわけではなさそうです。

 大統領自らキスマユに政府の威光は届いていないと認める(キスマユは政府のコントロール下にない:ソマリア)のですが,この発言を受けてそのKismayoの当局者は,いやうちは政府の指揮下にありますよ,だって政府任命の官吏が統治してますものね? ほら明らかだ,という旨,発言(Garowe Online Kismayo is controlled by the Somali government: Official KISMAYO, Somalia Dec 12)。
 …君らが内輪もめするから,中央政府も困ったんじゃないかとも思う。

 ともあれ「政府指揮下にない」→「イスラミスト側だ!」→「味方だやっほー!」という見解は必ずしも成り立ちません。ええ,追い出されますよ?UICさん。

 それに,Hiranでしたっけか,政府任命の県知事を地元は拒否したって事件がありました。
 その理由は,当該人物がUIC支配期にUICにおもねり,ソマリア国旗を侮辱した過去があるから,というものでした。

 ソマリア暫定政府は不人気の様子です。しかしそれは,旧UIC勢力が望まれているということを意味しません。暫定政府の支持率を落とす(その治安維持能力に疑問を抱かせる)ことは有益な方法ではあります。しかしそれは,その敵対勢力の支持率を伸ばすことには,必ずしもなりません。

 すいませんけど,ちょっとその,野党とか反政府の方々,そのあたり,まさか誤解しちゃいませんよね? あなた方は頼りにならない,信用ならない,そんな政府の代りたり得る代案提出・執行能力を示す必要があるんですが。

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