空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

アスマラ会議は更なる参加者を獲得する:ソマリア

2007-09-13 01:24:19 | ソマリア関連
 Garowe OnlineがAsmara発で伝えるところでは,ソマリア首都モガディシュ,北東部のプントランドからの代表団がエリトリア首都アスマラで開催中の,反エチオピアグループが主宰する会議に参加した由。

Garowe online Delegates from Mogadishu, Puntland join Somalia opposition congress Sep 11, 2007

 モガディシュの支族長,Ugas Abdi Dahirが代表団を率いている。

 他方,反エチオピア派ハウィエ氏族のスポークスマン,Ahmed Dirie氏は,Ugas Abdi Dahir氏に代表される,しかも予告なしのアスマラへの出張に距離を置く。
「彼は個人的理由でそこにいる」とDirie氏は10日,記者団に語った。なおかの人物はハウィエ氏族を代表していないと付け足した。
 Dirie氏は,Ugas Abdi Dahir氏はケニアにいたはずだと言い,報道によってはじめて彼がエリトリアに行ったことを知ったなどとする。

 Ugas Abdi Dahirはハウィエ氏族の有力者の一人である。勿論Dirie氏も,エチオピアのソマリア展開に強力に反対する,ハウィエ氏族長らの一員である。

 ハウィエ氏族長らは,3-4月の衝突時には政府・エチオピア軍司令官等と会談しもしたが,先日終了したモガディシュの国民和解会議には不参加であった(一部参加したハウィエ支族は存在した。その族長の一人は暗殺の憂き目に遭った)。

 他方,19名から成るプントランドからの代表団はSultan Said Artan氏によって率いられ,11日,エリトリアに着。プントランドは半独立国で,ソマリア暫定大統領Yusuf氏-嘗てのプントランド大統領-の根拠地である。

 以上,省略しつつ簡単に訳した。
 軽い解説をつけるべきかな。

 モガディシュに勢力のあるソマリのハウィエ氏族は,暫定政府やエチオピア軍に強力に反対している。国民和解会議に欠席するほどだ。だから,同じ反政府・反エチオピアの,アスマラ会議に参加するかと思いきや―特別飛行機便も用意するよ!とまでいわれたのに―,ハウィエはアスマラ会議に不参加方針を表明。理由は,アスマラ会議派の「特別な意図」の存在。

 そんなわけだったのが,このDahir族長が独自の判断でアスマラ会議に参加しちゃったと(一応,裏ではアスマラ会議の様子を見てくるように―などという密命があったかも,などと疑う事は可能。ありそうではないが)。そこでハウィエ代表団としては,Dahirの一行は自分たちを代表するものではない,と言明せざるを得なかった。

 小所帯のアスマラ会議派としては,ハウィエの一部なりとも参加を得たことは,無意味ではないでしょう。―意味自体は小さいでしょうけど。

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