TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

合歓の花

2015年06月23日 | 吉井勇
「合歓の花」って何だろう?
吉井勇の歌集「天彦」に収めてある次の歌がまったく読めませんでした。(真ん中の歌です)



こんな時に便利なのが電子辞書の手書き入力で、読めなかった次の2つの字がわかりました。

 

「合歓の花」は「ねむの花」で、ネムノキの花でした。「木槿」や「躑躅」にはよみがな付けてあるのに「合歓」に付けてないということ一般によく知られた漢字だったということでしょうか。また、一見「書」に見える字はなんと「昼」の旧字体ということがわかりました。

  合歓(ねむ)の花ほのかに紅く咲き出でて雲仙みちの昼しづかなる  - 吉井勇 -

ネムノキとわかると静かな雲仙の情景が浮かんできますが、「ネムノキ」はどうして「合歓の木」と書くのか、新たな疑問が浮かんできました。「合歓」…

ネムノキについて調べると、夜はその葉っぱが眠っているみたいに閉じるそうです。さっそく夜にネムノキを見に行きました。



本当だ。頭を垂れたように寝ている。これには驚きました。





次のは昼間のネムノキです。葉っぱのちがいにご注目ください。




夜に葉っぱが眠るのなら「眠の木」と書けばいいのにと思ったのですが、そのような表記はありませんでした。ネムノキは「合歓の木」または「合歓木」でした。さらに調べると「合歓木」の表記は古くは万葉集に登場しているそうです。

  昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花 君のみ見めや戯奴さへに見よ (紀女郎)

現代語訳は、「ネムの花が羨ましい。昼間は美しく咲き、夜は好きな人に抱かれるように眠るのだから」(「役立つ?お庭ブログ-北山造園」さんのブログから引用)

さらにこのブログには、「『合歓』とは男女が共寝すること、喜びを共にすることを表す言葉で、中国では、2枚の小葉が合わさり歓ぶとされたので(ネムノキは)一家和合、夫婦和合の象徴として植えられる習慣があります。」と書いてありました。

うん…、納得。そういえばこの夜の写真などムードがありますね。ピンクの「合歓の花」



コメント    この記事についてブログを書く
« マムシに注意! | トップ | あじさい寺 ~ 大聖寺 »

コメントを投稿

吉井勇」カテゴリの最新記事