●質問-1 震災がれきの受けいれは困難ではないか / 答弁者 市長
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東日本大震災に関して、復旧や再興に協力していきたいのは誰しも同じこと。
その一つとして提案されている「がれきの広域処理」について、問題がなければ協力したいという人もいれば、いろいろな理由から断るべきという人もいる。
各地でも、対応が分かれている。
そこで、市民の疑問や懸念に答えがでるように、諸点について、市長の基本認識を問う。
1.「広域処理」の必要性について
現地のがれき量は推定値でしか出ていない。5月末には木質系がれきや混合可燃物の推定量が大幅に減った。やっかいなのはコンクリートなど不燃物。
しかし、これも最近は、再興のために使い道があるといわれてきている。
「広域処理」はゼネコンや特定業者に仕事を回すためだという批判は横に置くとして、一言でいえば「広域処理が必要とされた量」が減ってきているが、市はどのように状況認識するか。
2.運搬やストックについて
仮に受け入れとなった場合、がれきはどのように山県市まで運ばれるのか。その際の運搬業者は誰でもよいのか。
施設に敷地に搬入したとしてストックする場所と方法は現実的にあるのか。
3.がれきと市の焼却炉について
市の焼却炉は稼働開始したばかりだ。がれきの(1)「塩分」、(2)「泥」、(3)「形状」、(4)「混焼における発熱量の変化」などの影響はどのように予測されるか。
(5)安定運転と不可分な関係にある排出燃焼ガスの有害物質の濃度に対する懸念や影響はどのようか。
4.焼却灰の放射能(基準値)について
放射性物質は、封じ込め、拡散させないことが原則で、放射性セシウム濃度が1kgあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置かれ、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきた。だから、原子力発電所の事業所内から出た廃棄物は、100ベクレルを超えれば、低レベル放射性廃棄物処分場で厳格に管理されている。
つまり、従来の放射性廃棄物の基準はセシウムで100ベクレル/kgで、それを超えると、一般のゴミ処理場などに廃棄することは許されていなっかたものが、震災後、8000ベクレル/kgまで、埋め立てできることと変更された。これが広域処理の基準にも転用された。
今回のがれき焼却や埋め立ては、基準をかえれば、できなかったことができることとなるという非科学的で不合理な納得しがたい政府の方針が前提になっている。
その結果として、市民や作業員の健康や環境への影響、風評被害の恐れが高まったということに他ならないと私は考えるが、市はどう考えるか。
5.焼却灰の最終処分について
特にがれきを焼却すれば、放射性物質の濃度が高まるのは当然のことで、昨年、「現地の木材を焼却した灰」でも社会問題になっている。最終処分場の寿命(=残余量)が心配されている山県市の焼却・事業について、放射性物質を含む焼却灰が最終処分場に与える影響はどのようか。
6.のちの炉の維持管理について
炉は定期的に点検・清掃・交換等が必要。がれき焼却後に生ずる問題は何が予測されるか。
7.トータルコストや契約上の問題
このように見てきたとき、焼却コストは、通常の市の一般ごみの処理コストに対して、どの程度と想定されるのか。
広域処理の経費はどこが負担するのか。
そもそも、「処理は自治体間の契約」、という構図に問題はないのか。
8.寄せられている市民の声と意思決定の方法
市は「住民の理解が得られれば検討」(報道)というが、どのように確認するのか。もし、受け入れの場合、どのようにして意思決定するのか。
9.この種の案件は性質上「100%確定した方針」というものはあり得ないのは当然として、現時点の基本的な結論として、山県市はがれき処理を受け入れるのか、受け入れないのか。
その考えは、市民の疑問や懸念に答えるために市のHPや広報で示すべきではないか。
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