高知市一宮(いっく)しなねに鎮座される「式内社:土佐神社」。
土佐国一宮で、旧社格は国幣中社。御祭神は『味鋤高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)・一言主神(ひとことぬしのかみ)』。
「創祀については、明らかでありませんが、境内東北方の礫石と呼ばれる自然石を磐座として祭祀したものと考えられ、古代に遡ると言われています。延喜の制が布告された平安時代、醍醐天皇の御代には式内大社に列せられ都佐坐神社と称され、特に皇室の崇敬あつく勅使の参向もしばしばあり、朱雀天皇の御代天慶三(940)年には、神階を正一位に進ませられています。」HPより
拝殿から幣殿、本殿へと真っ直ぐに伸びる御神域。そこに新旧で一対の備前焼の宮獅子が奉納されています。
阿形は「慶応2年(1866):木村新七良貞清」、吽形は「2011年:鬼師・安川清泉」の奉納。この年代を超えた一対の宮獅子には、実に感動的な逸話があるのですが、興味のある方は、「土佐神社 宮獅子」で検索してみてください。
元亀元年(1570)、長宗我部元親によって再興された社殿は、入母屋造りの前面に向拝を付けた本殿と、その前方の十字形をなす「幣殿、拝殿、左右の翼、拝の出」から構成。弊殿を頭とし、尾に相当する拝の出を長くした十字形を成しており、本殿に向かってとんぼが飛び込む形に見立てた、いわゆる「入蜻蛉形式」、凱旋を報告する社という意味があると言われています。
ご本殿向って左に鎮座されるのは「事代主神社 ・.西御前社 ・大国主神社」。
拝殿南東に立つ「鼓楼(国重要文化財)」は、土佐藩二代藩主山内忠義によって慶安二年に建之。上層は桁行三間・梁間二間で、彫刻・柱が彩色で彩られており、内部には時を知らせるための太鼓が吊るされています。
拝殿正面向かって右手には絵馬殿があり、かなりの年代を経たと思われる絵馬が多く奉納されています。高く白帆をあげた回漕船の絵馬が多いのは、太平洋に面した土佐の国らしい光景です。
絵馬殿の後方には、本殿西北にあったご神木の杉を奉斎した「輪抜祓所」が設けられています。「年輪をくぐり抜けることにより心身が祓い清められ大木の長寿や、たくましさを授かる御神徳がある」と説明があります。
境内案内、もうしばらくお付き合いください🙏
参拝日:2013年3月25日&2018年6月16日