三木町大字池戸に残る「旧木田郡役所」。ドーマー設置による大正洋風様式の端正な郡役所は、香川県内に建てられた擬洋風建築の旧郡役所庁舎として現存する、唯一のものとされています。
木田郡林村(現:高松市林町)の 宮大工『吉峰長太郎正一』により大正8年(1919)に建築。下見板系擬洋風建築の特徴を色濃く映した構造を持ち、大正15年(1926)に郡役所としての機能を終えるまで、郡役場として使われてきました。
その後、香川県の所有となり、昭和5年(1930)から香川県蚕業試験場として運用。その際に繭を保管する切妻造りの土蔵が正門の東側に増築されました。
昭和56年(1981)、香川県農業試験場の移転を受け、跡地および建築物を三木町が買い受け、昭和58年(1983)より池戸公民館として運用を開始。以降、保全塗装や瓦の葺き替えなどによる定期的な整備改修が行われてきました。
屋根の上にドーム状の丸屋根を持つ塔状のドーマー。洋風建築の代名詞的シンボルですが、実は緻密な日本建築の粋が凝らされいるあたりに、宮大工の矜持が感じられます。
三木町重要文化財の「旧木田郡役所庁舎」・・・悔しい事にこの日は月曜日だった為、休館💦。とは言え、予期しなかった出会いだった事を思えば、こうして外部の見学が出来ただけでも僥倖と思わねば。
公民館前の道路向かいは、かって多くの物資や旅人が行き来した長尾街道。漆喰壁や虫籠窓のある家というのは、そこにあるだけで「美しい景色」になります。それゆえに、これだけで終了とは・・やっぱり勿体無いなかったなぁ😩
訪問日:2011年6月17日