益田市高津町上市に鎮座される「高津柿本神社」。御祭神は『柿本人麿命』。
御由緒【飛鳥時代の歌聖・柿本人麻呂の終焉の地と伝わる鴨島に創建された人丸社を起源とする古社であり、「柿本神社縁起」によれば、全国に点在する柿本神社の本社であるとされる。 なお、鴨島は平安中期に起こった万寿地震の影響で沈没したとされることから、後に高津の松島に流れ着いた人麻呂公の尊像を祀り、江戸時代に津和野藩主・亀井氏によって現在地に遷座されたものが、現在の柿本神社とされている。】
朱の神橋を渡って鳥居を潜り136の石段の中ほど、左右に隋神を配した楼門が出迎えます。【この楼門は、初層と上層からなり、二層とも桁行3間、梁間1.5間の三間楼門で、屋根は瓦葺きの入母屋造りである。上層には四方に切り目縁の床を張った廻縁を付け。勾欄を組み、組物は出組で、蝦尾を思わせるこぶし鼻と、柱頭の装飾的な木鼻が特徴的な折衷様式の門である。】。
楼門の扁額は『正二位柿本神社』。貫には阿吽の獅子彫刻。
楼門を潜り更に石段の先、鴨山(高角山)山頂に、明るく開けた境内が見えてきました。
1998年2月に築造された、入母屋造妻入の拝殿
本殿は、方三間朱塗りの単層入母屋造妻入で、正面に唐破風の向拝を設けた春日造変態。屋根は檜皮葺で、殿内には津和野藩主亀井家の家紋、四ツ目結び紋をあしらった板扉があります。
石段上、境内入り口より神域を守護されるのは「寛政二年(1790)庚戌」建立の狛犬さん一対。吽形さんは角を持ち、阿吽ともに目には大きな玉が嵌め込まれています。
・・と書いていたら、ご亭主殿いわく、これは玉ではなく銅で作られた眼ではないかとの事。私のビックリを顔全部で表現してくれる狛犬さん・・なんか良い(笑)。
拝殿横に建立されていた「亀趺(きふ)」『柿本大明神神詞』の碑。
上部には阿吽の麒麟。
境内に建立された歌碑は、『柿本人麿』が石見国で亡くなる直前に詠んだとされる一首。
【鴨山の 岩根しまける 我れをかも 知らにと妹が 待ちつつあるらむ】
(大意:鴨山の岩を枕として死のうとしている私を、何も知らずに妻は待ち続けているのだろう。)
もう少し続く柿本神社、明日は境内あれこれの紹介です。
参拝日:2012年11月10日&2019年4月19日