郡山市富久山町福原に鎮座される「豊景神社(とよかげじんじゃ)」。御祭神は『豐斟渟命(とよくむぬのみこと)・鎌倉権五郎景政公(かまくらごんごろうかげまさこう)』。
由緒「天喜四年(1056)、前九年の役で陸奥の国に向かう鎮守府将源頼義・義家父子は、凶作で苦しむ里人を救うため、『豐斟渟命(とよくむぬのみこと)』をお祀りする「御霊宮」を福原の郷に創建。後の後三年の役の折、再び訪れた源義家の命により、渦の元凶の竜蛇を家臣の鎌倉権五郎景政公が退治。その功績に感謝し、天養元年(1144)に合祀。天正十六年(1588)の郡山合戦により社殿を消失。元和二年(1616)現在の地に遷宮。寛保二年(1742)、神祈官令により「正一位御霊宮」となる。明治元年(1868)神仏分離令により「豐景神社」と改称。」富久山町HPより
参道入り口、手水舎近くより神域を守護されるのは大正十二年十月吉日建立の狛犬さん一対。
毬を手にする吽形さん。仔狛を抱く阿形さん。いわゆる福島型と呼ばれる一対ですが、表情の優しさと毛並みの美しさがモロ私好み😊。
仔狛さんのアップ。得意げな面持ちと末頼もしい四肢で、しっかりとその存在をアピール。
狛犬さんの優し気な独特の表情とスタイルがいたくお気に召した私。親愛の情を込めて大きくアップで😊
濃い緑の陰に護られるように、社殿へと一直線に続く参道。
参道途中より神域を守護されるのは、背筋をピンと伸ばした大きく胸を張る狛犬さん一対。綺麗にカールした顎下の毛と真っ白な歯に真っ白な爪、玉を思わせる目が一層の迫力を添えています。
御大典記念のまだ新しい台座の上より神域を守護される小さな狛犬さん一対。おそらく、折れてしまった足を守るための処置でしょう。陰に追いやられる事なく、きちんと守護のお役目を任されている事に気持ちが和みます。
境内の一画にあった石造の収蔵庫。福原太々神楽のお道具などが収蔵されているのかもと思いますが、仔細は不明。4月と10月の例大祭で奉納される福原太々神楽は、福島県指定の重要無形民俗文化財に指定されています。
参拝日:2015年6月25日
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御神名一口メモ
『豐斟渟命(とよくむぬのみこと)』、天地開闢の際に現れた神代七代の二番目の神。「豊かな(=トヨ)雲(=クモ)」の意であり、雲を神格化した存在とされる。
『鎌倉権五郎景政公(かまくらごんごろうかげまさこう)』、平安時代後期の武将。相模国鎌倉を領して鎌倉氏を称した。後三年の役に従軍した際、右目を射られながらも奮闘した逸話が「奥州後三年記」に残されている。右目の療養をした土地(現:千葉県野田市)に「目吹」の地名が残る。