松江市美保関町に鎮座される「式内社:美保(みほ)神社」。事代主神系えびす社3千余社の総本社とされます。(同じくえびす社の総本社とされる兵庫県の「西宮神社」は、蛭子神系のえびすを祭神とします。)
右殿に御祭神『事代主神』、左殿に御祭神『三穂津姫命(大国主神の后神)』。
二の鳥居の内より神域を守護されるのは、目に玉を嵌め込んだ「嘉永三年(1850)六月吉日建立」出雲丹後の狛犬さん一対。 何と言うか・・上から目線の阿形さん。心外だと真一文字に口を引き結ぶ吽形さん(笑)
狛犬さんの目が異様に大きく見えるのは、多分玉が嵌めこまれているからだと思われますが、石工の技術力と、それを成させる奉納者の財力を感じずにはいられない見事な一対。
由緒【創建の由緒は不詳であるが、延喜式神名帳では小社に列する。8世紀に編纂された「出雲国風土記」の神社台帳に記載される古社であり、『大穴持命(大国主神)』と『奴奈宣波比売命(奴奈川姫命)』の間に生まれた『御穂須須美命』が、美保郷に坐すとの記述がある。元々の当社の祭神は『御穂須須美命』のみであったのが、記紀神話の影響により『事代主神』と『三穂津姫命』とされたものとみられる。】
現在の本殿は文化10年(1813)の造営。大社造の左右二殿連棟の特殊な形式は「美保造」、または「比翼大社造」ともいわれ、国の重要文化財に指定されています。
この日は、2010年に起きた山陰豪雪による補修の為に、拝殿の周囲は足場が組まれた状態。 これほどの由緒ある社でさえ、平成になって起こった災害の輪からは逃れられなかったようです。
拝観するには残念ですが、参拝には支障なく、拝殿前を守護する備前焼の獅子さんにもお会いできました。刻まれた奉納年は「文政十三年(1830)正月吉日」。備前焼の獅子狛犬も随分と沢山見てきましたが、本当に良いお顔をされています。眉をしかめた阿形さん、キリリと開き直る吽形さん。
ほら、こうして向い合せると、しっかりと会話の内容が聞き取れる程・・って、もしかして聞こえてるのは私だけ?(ーー゛);
更に奥の本殿前左右には木製の神殿狛犬さん。ピントが今一つだった阿形さん。吽形さんは置かれた場所が良かったみたいで、上目遣いのお顔がくっきり。阿形さんの怖いお顔に比べて、随分と可愛らしいお顔(〃∇〃)
工事中という事もあり、境内に祀られる他のお社などへの参拝は殆ど出来ませんでしたが、それでも幾つかの境内社には参拝できました。明日は日本海に面して建つ境外摂社と併せて境内の紹介です。
参拝日:2011年5月19日
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