豊岡市三宅に鎮座される「式内社・中嶋神社」。御祭神は『田道間守命(たじまもりのみこと)』。『天湯河棚神(あめのゆかわたなのかみ)』を配祀。式内社で、旧社格は県社。「菓祖・菓子の神」として、日本各地の製菓業者の崇敬を受けています。
由緒「田道間守命は、第十一代垂仁天皇の命を受け、常世の国より「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)=橘」を持ち帰ったが、 天皇は既に亡くなっており、その御陵に「非時香菓」を献げて殉死。景行天皇は、御陵の池中に墓を造らせた。推古天皇の御代に、命の七代目の孫「吉士中嶋の君」が当社を創立。中嶋神社の名は、御陵の中の命の墓が、中の島に見える ところから名付けられたと言われる。「非時香菓」を持ち帰った故事より菓子の神様として祭られるようになった。」境内案内より抜粋
境内入口の鳥居の傍らには「お菓子の神様 田道間守命の生誕地」の碑。社務所には、毎年四月の第三日曜日に開催される「橘菓祭(菓子祭)」のポスターが貼られています。
二間社流造檜皮葺:朱塗りの本殿は、正長元年(1428) に但馬の領主:山名氏により再建。室町中期の特色をよく示しているものとして国重要文化財に指定されています。
二の鳥居からまっすぐに伸びる参道の先に拝殿。
拝殿の左右より神域を守護されるのは、大正9年建立の出雲丹後系狛犬さん一対。
広く開放的な拝殿と、それに続く朱塗りの本殿。
本殿の階段下左右には、木箱に納められた木造の神殿狛犬が、神域を守護されています。
透かし塀の隙間からではこれが精一杯ですが、中々に精悍な顔立ちの一対。おそらく長い時間をここで過ごされたのでしょう。脚部の傷みが気にかかります。
拝殿に奉納されていた絵馬は「横浜菓子業奉賛委員」。まるで旭日旗を思わせるデザインで、某国の魔除けには効果ありそう😅
「境内社:皇大神宮(内宮)・豊受大神宮(外宮)」
「境内社:秋葉神社」「境内社:稲荷神社」
「境内社:若宮神社」「神庫」
神庫の真っ白い漆喰の壁には端正な「橘」が、鏝絵で施されています。屋根には「橘」の神紋。御祭神が持ち帰ったと言う「非時香果(ときじくのかぐのこのみ)」にあやかったものでしょう。
参拝日:2011年3月30日
一般には現在橘寺のある飛鳥の宮に田道間守を祖とする三宅氏が使えていたことから、この伝説が構成されたという見方が有力のようです。
ところで薬草や珍品を求めて異界に出向くというのは徐福伝説を代表とした中国の神仙思想の影響で、竹取物語にもその影響が見られます。
姫にそそのかされて珍品秘宝を求め各所に赴かされる公達たちの哀れなこと・・・・
女性の目から見ても気の毒過ぎて・・多分それもあってか、かぐや姫という女性像は今一つ感情移入が出来ません(笑)
それにしても「常世の国」という概念は何時頃生まれたんでしょうね。
それが一番気になる謎です。