備前焼の里の氏神様として知られる「天津神社」。参道・境内のあらゆる場所に、備前焼窯元作家らによって生み出された神獣たちが奉納されています。
ちなみに神社の神獣といえば「獅子・狛犬」もしくは「神狐」が一般的ですが、祭神によっては、さらに多くの生き物が神獣として登場します。たとえば神門の屋根にいる「鯱(しゃち)」。姿は魚で頭は虎、尾ひれは常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげがあります。火事の際には口から水を噴き出して火を消すと言われ、防火の呪いとして、また水難を防ぐ神獣として使われています。
また、天津神社には沢山の干支の焼き物が奉納されています。そこで干支の順に、関わりのある御祭神などの紹介をしたいと思います。干支のトップバッターは「子(ネズミ)」。本来は収穫した作物などを食い荒らす害獣なのですが・・何故か、大黒天の俵とセットになって見かけます。これは「大黒天」が北方の神であり、北方とは、すなわち「子(鼠)」の方向である事が理由のようです。
干支では二番目の「丑(うし)」。「天神様」の神使いであり、また撫で牛として、境内には無くてはならない存在です。
無くてはならない存在ですが・・・流石にここまで来ると😅 一見、枯葉か玉石かと見間違いそうですが実はこれ全部!撫で牛様なのです。大小様々な撫で牛さんが、ギッチリと奉納されていました。
干支では三番目の「寅(とら)」。「毘沙門天」を祀る「信貴山朝護孫子寺」の縁起に、「聖徳太子が、朝敵:物部守屋討伐のために戦勝祈願をすると、天空遙かに毘沙門天が出現し、必勝の秘法を授けてくれた。その日は奇しくも寅年、寅日、寅の刻であった。」とあり、境内には沢山の虎が奉納されています。
ちなみに、「丑寅(うしとら)=北東」の方角は良くないと、耳にした事はありませんか? 陰陽道 ではこの方角を「鬼門 (きもん) 」とし、現在でも家屋の水回りや玄関は、鬼門を避けて建築されます。「境内社:丑寅神社」は、天津神社境内の北東(丑寅)に「鬼門除け」として鎮座されています。
干支では四番目の「卯(うさぎ)」。古事記の中で「大国主命」と「八上姫」との婚姻を取り持ったことから、「大国主命」が祀られる神社の神獣となりました。
干支では五番目の「辰(たつ)」。いわゆる「水神・海神」としての性格をあわせもち、五穀豊穣や、雨乞いなどの際には、「龍神」として登場します。
干支では六番目の「巳(み)」。日本神話に登場する「大物主大神」の化身とされ、また蛇神信仰の御神体「道通様」として祀られています。
長くなりましたので、続きは明日の「備前焼の神獣~2~in備前天津神社」で。
参拝日:2006年9月30日&2010年3月4日
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