車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

ふらり~貞光の町歩き~其の一 in 徳島県つるぎ町貞光

2020年10月09日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・徳島県

江戸時代から葉たばこの産地として繁栄し、商業の町として古くから栄えてきた貞光。商いによって富を成した商人たちは、その富を象徴させるかのように、「二層うだつ」と呼ばれる立派な「卯建(うだつ)」を造ったと言われています。

酒造業を営む商家として明治初期に再建され、隆盛を極めた町並みのさきがけとなった「織本屋」。2006年に国登録有形文化財の指定を受けています。

紺の暖簾の向こうから鼻腔を直撃する匂いを漂わせているのは「飯田食堂」。「卯建(うだつ)」には粋を凝らした美しい「鏝絵」が施されており、しばし釘付けの二人・・もちろん営業妨害にならないように離れた位置から😅

鏝絵の題材は「鯉の滝登り」。竜門を登ることのできた鯉は竜になるという故事から、立身出世の例えによく使われる図柄です。

元来防火用の袖壁として用をなしていた「うだつ」は、やがて富を誇る象徴として使われるようになり、それぞれに趣向を凝らしたものとなりました。

二層式の「卯建」というだけでもウハウハなのに😍、左官職人の技量が光る「鏝絵」が施されているとあっては、もう眼福の言葉しか出てきません。なんと言っても「鏝絵」見たさに、西は石見から、東は伊豆、富山まで出向いた程の好き物・・って、範囲狭っ!😆

鏝絵の題材は、寿福や防火を祈念するものが多く、それはこの貞光も特に変わりません。しかしながら、同じ題材を描いても、職人の腕一つで実に様々な表情が生まれるのです。

左の画像は遠すぎて不鮮明ですが、尾の形から見て「虎」でしょうか? 右の画像は岩を噛んで流れ落ちる滝のようですね。水しぶきの中にモミジが浮かんでいます。

「卯建」と鏝絵に主役の座を奪われがちな飾り瓦ですが、これが中々に侮れないものが多く、いつもの口癖の「もうちょっと良いデジカメを・・」の恨み節😔
高砂の松を背景に箒を持つ「尉と姥」。微妙な袖の流れや髪型、表情等々、いやもうどれをとっても最高!!

お隣の大屋根の上では、瓦芸術の代名詞といっても過言ではない「鬼瓦」が、何と「鍾馗」を従えて睨みを利かせています。

脇門屋根の留蓋にいるのは、これは多分「波兎」。火除けの呪いや子孫繁栄の象徴としてもよく使われる題材ですが、なんとも可愛らしい表情。

同じく水に関わりのある「海亀」、火除け、長寿の縁起物として多く使われています。この亀自体はそんなに古いものではないようですが、飛び出したように見える目が面白かったので😅

卯建の町並から一転、思わず目を見張る鮮やかな色彩の建物は、昭和7年(1932)に芝居小屋として建てられた「貞光劇場」。その後映画館に転じて営業を続けましたが、2011年に休館となりました。

珍しく時間をかけて歩いた「貞光の町歩き」、続きは明日。

訪問日:2013年3月29日


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