那谷寺の景色を代表すると言っても過言ではない「奇岩遊仙境」。噂には聞いていましたが、実際に目の前にすると・・思わず呼吸を忘れます。
太古の海底噴火の跡と伝えられる一帯には、長い長い年月に風と波に洗われた奇岩が、まるで人の顔の様にも。あるいは浄土への入り口の様に姿を変え眼前に展開され、自然界の力の壮大さ、過ぎてきた時間の長さにただ感動し、圧倒されます。
一度、人の顔のようにと思ってしまうと、もうどこからどう見てもそれは人の顔。口と思しき場所に奉納された幾対もの石仏は浄土への案内人・・・
「奇岩遊仙境」に鎮座される稲荷舎へは、若干の注意を要する参道があり歩いて参拝できます。ご亭主殿の前をソロソロと這うような姿勢で、一歩ずつ慎重に足を運び、無事に参拝。稲荷舎から見る境内、対岸に見える朱塗りの建物は「鎮守堂」。
参拝を終えて稲荷社から見下ろす下界・・はっきり言って下りる時の方が怖い(-"-)
下界に下りたところで深呼吸(^^;) 続いては那谷寺パワースポットの一つ「不動明王の閼伽(あか)水」。公式HPによれば「古来より涸れることなくこんこんと湧き続ける霊水。お手持ちの念珠や指輪などに願いを念じながら霊水をかけると、不動明王の加護を受けられると言われています。」
「鎮守堂展望台」から見る「奇岩遊仙境」。そそり立つ奇岩霊石に、いくつもの窟が開口した様は、まさに「古きよき時代の浄土」。季節を問わず「境内で最も美しい眺め」と称されているのも決して大げさでは有りません。
元禄2年(1689)、弟子の『曾良』と別れた『芭蕉』は、小松へ戻る道中ここに参詣し、その時の様を「奇石さまざまに古松植ならべて、萱ぶきの小堂岩の上に造り、かけて殊勝の地なり。」と述べて句を残しました。画像右の「翁塚」に、「奥のほそ道」における那谷寺の条が刻まれています。
【 石山の 石より白し 秋の風 】
古くよりの神仏習合の姿が残され、神と仏が混在する理想郷を表したとされる「奇岩遊仙境」。2014年に「おくのほそ道の風景地」として新たに国名勝に指定されました。
この時、何をとち狂ったのか、展望台の更に上まで登って写した「奇岩遊仙境」の画像。
ビックリして思わずご亭主殿がカメラに収めた「私」。多分一番びっくりしていたのは私自身かもしれません(^^;) 何故とか聞かれても「さぁ?」怖くなかったかと聞かれても「ちっとも (^▽^) 」。何だったんだろう?
一足飛びに「鎮守堂」からの「奇岩遊仙境」を紹介したので、明日は重要文化財の堂宇を。
参拝日:2015年10月22日
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