唯-TADA-
僕は唯,アナタの情感を圧倒したかったのだ
リルケのように紡ぎ
ショパンのように弾き
広重のように描き
そうして
僕は唯,束になって
アナタの心の弦を震わせたかったのだ
流星のようにアナタの空を横切り
宝石のようにアナタの胸に留まり
同じ時代と時間を生きる
”同じく”の同志で居たかったのだ
そうして
僕は唯,アナタと仄かに頬笑みたかった
少年少女に戻り
情念の炎ほむらを抱きたかった
刹那のinichiを
燦燦と散華させたかった
僕は唯,一人になりたくなくて
虚空に吼え続け
心を繋ぐ糸に巡り会いたいと
夢中を漂泊する
そうして
僕は唯,アナタをまるまる愛撫したいと・・
僕は唯,愛の陽炎かぎろいを知りたいと・・
僕は唯,情を燃やし尽くしたいと・・
僕は唯,感涙の嗚咽を漏らしたいと・・
僕は唯,唯,愛していたいのだ
あらゆる愛というものの懐で
眠り,起き,考え,動き,書き,伝え,etc
僕は唯,そのように僕を生きたいのだ