Straussを聴きながら
三百六十五日の間に
そんな夢見心地の出来事が数度ある
身体全体を受音器にして
好きな楽譜を辿る事がある
そうなのだ
今日の此の暑い熱いアツイあつい
いつ果てるとも知れぬ
八月の終わりの昼下がりの
空調の効いた部屋で
”美しく青きドナウ”に
己が心霊を漂わせる瞬間
何の煩いもなく
何の気懸りも無し
何のスケジュールも流れ去って
ただkazeに浮かぶ蜻蛉のように
自由気儘に
軽やかな無の身形みなりで・・
そんな極上の刻刻が
一年に数回訪れる
2023 8/25 万甫記