明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(446)膨大なストロンチウムが環境を汚染している!(焼却は極度に危険)

2012年04月09日 23時00分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120409 23:00)

ストロンチウム発見の報が再び流れました。福島県の浜通りと中通りで発見された
というもので、毎日新聞では「半径20キロの警戒区域を越えて広範囲に飛び散った
ことが分かった」とされています。最高値は、原発から3キロの大熊町で、1平方
メートルあたり、3070ベクレルだそうです。

しかしこのニュースを読んでいるとなんとも不可解なことに突き当たる。第一に発表
を行なったのは福島県ですが、調査が行われたのは、昨年7月13日から10月13日であり、
それから半年近く経っての発表であることです。ここから考えられるのは、この情報を
隠していたのではないかということです。

ストロンチウムの計測には時間がかかるとされていますが、それでも3週間ぐらいとさ
れており、12月ぐらいにはデータが揃っていたはずです。そう考えるとき浮かんでくる
のが12月16日の「冷温停止宣言」=事故収束宣言です。それを前に、浜通りや中通りが
ストロンチウムで汚染されている事実を隠したのではないでしょうか。

さらに毎日新聞の記事を見ると沈着量の「分析から大熊町ではプルトニウムも事故の
影響で増えたと結論づけた」と一行だけ書かれています。これもこれまで見つかった
プルトニウムをかつての核実験もものとしてきた見解を変えているわけですが、いか
にもこそっと行なっている。実際には、プルトニウムの汚染そのものも、冷温停止の
前につかんでいたはずです。

さらに記事を検索していて、昨年の12月18日に、朝日新聞が、ものすごい試算を出し
ていたことがわかりました。東電発表のデータを解析したところ、これまで海に流れ
出したストロンチウムはなんと462兆ベクレルになるというものです。ものすごい量
です。さらに重要なのは、これは東電が発表した4月から5月に海に流出した放射性
ヨウ素とセシウム、4720兆ベクレルの10分の1にもあたると見積もられていること
です。

同じ原子炉から出てきているのですから、海に、ヨウ素とセシウムの10分の1の
ストロンチウムが出たというのならば、土壌にも同じく、ヨウ素とセシウムの1割の
ストロンチウムが出たと考えるのが合理的ではないか。しかもストロンチウムが
ヨウ素やセシウムほどには飛ばないのだとすれば、それはより近隣を激しく汚染して
いるのでないか。こうした推論がただちに成り立ちます。

政府は今、がれきの広域処理による各地方への押し付けにやっきになっていますが、
そこにはストロンチウムも入っている可能性大です。焼却は極度に危険です。いや
そもそもがれきだけではないのでないでしょうか。一般ゴミにも大変な量の放射性
物質が入ってしまっていると思われます。つまり東北は関東では、そもそも焼却一般
がかなりの危険を作り出していると思われます。

ゴミ焼却の総体の見直しが必要です。「そんなことをしたらゴミ処理ができない」と
言われるかもしれません。そうです。そんなとんでもないことになっているのです。
それが今回の原発事故の実体なのです。社会がとても成り立たないようなことがしで
かされてしまったのです。そして、そんなとんでもないことになっている事実の隠蔽
も狙って、がれきの広域処理が強制されようとしているのではないか。調べている
うちにそんな疑念もよぎってきました。

ともあれストロンチムに最大の警戒を行い、情報解析を進める必要があります。また
各研究機関、研究者などに、各地でのストロンチウム計測を依頼する必要があります。
同時に、東北・関東の各焼却場の職員の、被曝対策の現状や健康被害についての調査
を行うことが必要です。ぜひとも各地で、焼却場の職員さんとの連携をとってくださ
い。今、行なっている焼却がどれほど危険なことであるかを知らせてください。

西日本など、汚染の低いところへのがれき押し付けに反対して行動しているみなさん
(僕もその一人です)は、自分たちのところで燃やしてはならないものは、当然にも
東北でも燃やしてはいけないことを一緒に主張し、政府による東北・関東の人々への
被曝の強制に対する抗議も同時に行なっていきましょう。

以上の点から、さらにストロンチウム、プルトニウム情報の収集、解析を進めます。

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ストロンチウム、県内過去最大の3倍
2012年04月07日

●大熊の土壌で検出、県が発表
県は6日、大熊町夫沢の土壌から、県内での過去最大値の3倍にあたる1平方メートル
あたり3070ベクレルのストロンチウム90が検出されたと発表した。第一原発事故
で飛散したとみられる。

県と政府の原子力災害現地対策本部が昨年7月13日~10月13日、県内55地点
(原発周辺7地点、ほか48地点)でストロンチウム90の放射能を調べ、双葉町郡山
でも同502ベクレルと高い値が出た。県内の過去最大値は1973年に大熊町で検出
された同999ベクレル。

また、浜通りと中通りでも原発事故前の調査時(2005年度)の平均値を上回ってい
るとし、「今回の事故の影響と考えられる」とした。会津地方では大きな変化は見られ
なかった。
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001204060008

***

福島原発事故:浜通りと中通りでストロンチウム沈着量増加
毎日新聞 2012年04月07日 11時15分

福島県が6日発表した土壌の放射線モニタリング調査(昨年7〜10月)結果で、
浜通りと中通りでストロンチウム90の沈着量の増加が確認され、福島第1原発事故
により、半径20キロの警戒区域を越えて広範囲に飛び散ったことが分かった。
最高値は、原発から約3キロの大熊町夫沢で検出した1平方メートル当たり3070
ベクレルだった。

発電所周辺と県内全域の計55地点を調べた。浜通りや中通りの36地点中34地点
は05年度の前回調査に比べ、減衰を考慮して計算すると平均約4割増えていた。
残り2地点は原発に最も近い大熊町と双葉町の2カ所で、過去15年間の最大値の
それぞれ18倍、4倍。

事故で放出量の多かったセシウムに比べ健康影響は小さいと県はみている。沈着量の
分析から大熊町ではプルトニウムも事故の影響で増えたと結論づけた。【乾達】
http://mainichi.jp/select/news/20120407k0000e040150000c.html

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ストロンチウム、462兆ベクレルが海に流出
朝日新聞2011年12月18日3時2分

東京電力福島第一原発から事故後、海洋に放出された放射性ストロンチウムの総量は、
少なくとも約462兆ベクレルになることが朝日新聞の試算でわかった。水産庁は
魚介類への蓄積を調べるサンプリング調査の強化を検討している。

試算は東電などが発表した資料をもとに行った。4月に2号機、5月に3号機から流出
した放射能汚染水については、流出源である両号機の建屋内のたまり水に含まれる放射
性ストロンチウムの濃度を、流出した水の体積にかけて算出。これらに、今月4日に
流出が確認された処理水に含まれていたと見られるストロンチウムの量を足し合わせた。
大気から海への降下量は含まれていない。

東電は4~5月に海に流出した汚染水中の放射性ヨウ素とセシウムの総量を推定
約4720兆ベクレルと発表した。ストロンチウムの量はその約1割に相当する。
http://www.asahi.com/national/update/1218/TKY201112170581.html
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