明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(928)川内原発の「形だけ審査書」に反対!

2014年09月04日 22時30分00秒 | 明日に向けて(901)~(1000)

守田です。(20140904 22:30)

川内原発再稼働に向けて、8月15日締め切りで、パブリックコメントが募集されました。
僕も提出し、「明日に向けて」にも掲載しましたが、細川さんの指摘でその後に若干の修正を行いました。
修正済みのコメントを再度、ご紹介しておきます。

明日に向けて(916)原子力規制委員会の新基準には安全思想が欠落している。川内原発再稼働など論外だ!
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/83c7270fa95886d527546fb37f50a22b


細川さん自身も提出されたパブリックコメントを紹介されています。以下にアドレスを紹介します。

いたちまる雑記
http://itacim.blogspot.jp/2014/08/nuke.html

僕なりにまとめてみました。

第一に福島原発事故は、いまだ検証のための現場確認すら不充分にしかできておらず、新基準に事故の教訓が反映されていないこと。事故を解明してから基準を作るべきだ。「この作業をぬきに原子炉再稼働の審査をおこなうことは技術的科学的に不可能」。
第二に事故時の技術的対応と防災計画の実行可能性との整合性・連携性が求められているのに、防災計画がまったく無視されている。
第三に8月8日の東電の記者会見で事故炉のメルトダウン進行について従来と大きく異なる解析結果が発表されるなど、新基準には前提されない事実も出てきている。
そもそも「新規制基準では「メルトダウンがおこる」ことを前提としつつ、メルトダウンがおきないことを前提に設計された構造のまま、原発再稼働の可否を「審査」しようとして」いる。
第四に新基準で重大事故へのおそれに対し「炉心の著しい損傷を防止するために必要な措置を講じたものでなければならない」と定めてながら、九電の申請書では「「炉心損傷防止対策」をとる場合ととらない場合とがある」とされている。
また「工場等外への放射性物質の拡散を抑制するために必要な設備を設けなければならない」されながら、格納容器下部の破損、あるいは原子炉建屋とタービン建屋をつなぐ配管の損傷によって起こりうる汚染が検討されていないなど、新基準にも反している。
第五に「設置変更許可、工事計画許可、保安規定認可がそれぞれ基準に適合し、かつ相互に整合し一貫していることが確認されなければならない」にもかかわらず、
「今回公表された審査書案は、設置変更許可に属する事項をもっぱら扱っており、どのような工事でどのような要求事項が達成されるかの方針を確認するにとどまっている。この審査書案をもって、工事計画と保安規定がそれぞれ必要な基準を満たしていることを確認するものとみなすことは到底できない」

このうち第三の8月8日の東電の会見内容は僕は未確認です。また第五については正直なところ、どのように要約してよいかよく分かりませんでした。九電の申請書の当該箇所を僕自身がよく把握できてないためだと思います。
ともあれただリンク先を紹介するだけでは不親切に思えたので僕なりにまとめてみましたが、まとめを読んだ方は、それにとどめず、ぜひ細川さんのコメント全文に目を通してください。
こうした作業を通じて、私たち市民の側が科学的知識を重ねていくことがとても重要だと思います。

ただこうして私たちの中に技術的にまだ分からないことはあろうとも、僕が8月15日に書いたコメントでも、あるいは細川さんのコメントを読んでみても、原子力規制委員会の出している再稼働に向けた新基準そのものが安全思想をまったく満たしてないことは明らかだろうと思います。
さらに細川さんが指摘しているように、そのあまりに不十分な新基準すら川内原発は満たしていないのです。これでどうして再稼働するなどと言えるのでしょうか。あまりに不誠実です。
にもかかわらず原子力規制委員会は、なんとこの9月10日にも川内原発の審査書を承認してしまう可能性があると一部で報道されています。
パブリックコメントなど初めからまったく無視しているのです。どうしてこんなに不誠実で、嘘つきで、恥知らずな態度が取れるのでしょうか。人間として歩むべき道を完全に踏み外しています。

この動きに反対する緊急署名が呼びかけられており、僕もさきほどすませました。「川内原発の「形だけ審査書」に反対!」というタイトルのものです。まったく同感です。
東京のFoE Japanの満田さんが再びまわしてきてくれています。ぜひご協力ください。第一次締め切りは9月9日だそうです。

原子力推進派の大嘘を、一つ一つ丁寧に暴き続けるため、またよりよい未来を探るためにも、市民の側で科学的知識を高めつつ、一方でこうした横暴には大きな声で応じましょう。
「大ウソをやめよ。危険な原発の再稼働をやめよ」と訴えましょう!

*****

FoE Japanの満田です。
原子力規制委員会が、川内原発の審査書を9月10日にも承認することが一部で報じられています。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11330359.html?ref=reca

多くの市民や専門家が、審査のプロセスや内容に疑問の声をあげているさなか、それらはすっかり無視されてしまっています。
とりわけ、火山リスク評価に関しては、火山専門家により、審査の大前提が覆されているのに、です。
いくらなんでもひどすぎる! 私たちのパブコメはどこに行ったのでしょう? 火山だって怒っている!

ということで、緊急署名を始めました!
一次締め切りは9月9日21時です。翌日(9/10)に原子力規制委員会に提出します。
----------------------

【緊急署名】 川内原発の「形だけ審査書」に反対
http://goo.gl/jjc0fh

フォームから
https://pro.form-mailer.jp/fms/3427922964531

Change.orgから
http://goo.gl/BMZ8Om

紙の署名用紙はこちら
https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/sendai.pdf
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【関連情報】
9月10日は、朝9:30から六本木ファーストビル前にて、抗議行動を行います。また、その後、傍聴&集会を予定しています。
9:30~10:30…抗議アピール@規制庁前
10:30~12:00…傍聴
(傍聴終了後、建物の前で抗議)
13:00~15:00…参議院議員会館で抗議集会(詳細はまたご連絡します)
------------------------

以下署名の文言です。
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原子力規制委員会 委員長 田中俊一 様 原子力規制委員会 委員各位
内閣総理大臣 安倍晋三 様
鹿児島県知事 伊藤祐一郎 様 
鹿児島県議会議長 池畑憲一 様 鹿児島県議会議員各位
薩摩川内市長 岩切秀雄 様
薩摩川内市議会議長 瀬尾 和敬 様 市議会議員各位


【緊急署名】 

川内原発の「形だけ審査書」に反対します
川内原発の安全は保障されていません
再稼働に同意しないでください

再稼働準備が着々と進む九州電力川内原発(鹿児島県)について、原子力規制委員会が、川内原発の審査書を9月10日にも承認することが報じられています。

しかし、川内原発の審査書案は、基準地震動に過小評価がある、重大事故時に汚染水による放射能拡散を防ぐ対策がない、重大事故の解析についてクロスチェック解析が実施されておらず信頼性がないなど、欠陥だらけであり、多くの市民や専門家が疑義を唱えています。
工事認可書や保安規定の審査を後回しにしていることや、避難計画の実効性についての審査が行われていないことも問題です。

また、審査書案はパブリック・コメントに付され、8月15日の締め切りまでに約1万7千件の意見が集まりましたが、これについては公開の場できちんとした検討がされていません。

とりわけ問題なのは火山審査です。
川内原発の火山影響評価の際、「運用期間中にカルデラ噴火の生じる可能性が小さく、巨大噴火の前兆現象をとらえることができる」根拠としてほとんど唯一示されたのが、サントリーニ火山のミノア噴火に関する論文でした(注)。
しかし、8月25日に開催された専門家会合第一回において、「カルデラ一般について適用できるものではない」という重大な指摘がありました。火山ガイドが要求する前兆現象の判断基準も示されておらず、核燃料搬出の方策もありません。
注)Druitt,T.H. et al. (2012) Decadal to monthly timescales of magma transfer and reservoir growth at a caldera volcano. Nature, 482, 77-82.

審査の前提が崩れたのです。

原子力規制委員会はこのような状況で、多くの指摘を無視したまま、川内原発の審査書を承認するのでしょうか? そうだとすれば、「審査」は単なるアリバイ作りであり、原子力規制委員会が存在している意味は、まったくなくなるでしょう。
私たちは原子力規制委員会に対して、審査書の白紙撤回を求めます。

また、関係各位に対して、このように多くの疑義が呈されている中、川内原発の安全は保障されていないことを指摘するとともに、再稼働に同意しないこと、民意を反映するために、公聴会や住民投票、住民アンケートなどを実施することを要請します。

呼びかけ:原子力規制を監視する市民の会/反原発・かごしまネット/福島老朽原発を考える会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/グリーン・アクション/FoE Japan
問合先:満田(FoE Japan) 090-6142-1807

一次締め切り:2014年9月9日 21時
署名送付先:〒162-0822 東京都新宿区下宮比町3-12明成ビル302
FAX 03-5225-7214 
原子力規制を監視する市民の会 TEL 03-5225-7213 

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