守田です。(20160221 08:00) (20160222 23:30訂正)
26日の再稼働を目指していた高浜原発4号機で、放射能を含んだ水漏れが見つかりました。すでに再稼働された3号機ではなく準備中の4号機ですので間違えないようにご注意ください!
場所は一次冷却水の浄化装置付近だそうです。関西電力の発表では8リットルが水たまりを形成し、漏れた水を回収する容器に26リットル、合計で34リットルが確認されているとのこと。放射能の総量は6万ベクレルだそうです。
また関西電力によると、この付近に昨日、初めて水を通した配管があったそうです。
高浜4号機は21日にも起動試験を始め、26日の再稼働につなげる予定でしたが、未だ今回の水漏れの原因が分かっておらず、予定通りに進まない可能性が出てきています。
今はまだこれぐらいのことしか判明していません。ともあれ高浜3号機、4号機再稼働反対を再度表明しつつ、ウオッチを続けたいと思います。
なお重要性にかんがみ、朝日新聞、毎日新聞、NHKの報道内容を貼り付けておきます。
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高浜原発4号機、放射性物質含む水漏れ 再稼働に影響も
朝日新聞デジタル 2月20日(土)23時3分配信
http://www.asahi.com/articles/ASJ2N7J46J2NPLFA004.html
関西電力は20日、今月中の再稼働をめざす高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)の原子炉補助建屋で、放射性物質を含む水たまりが見つかったと発表した。
計約34リットルの水が漏れたが、外部への放射能の影響はないという。順調に作業が進めば26日にも再稼働するとみられていたが、遅れる可能性もある。
関電広報部は「原因を調査中で、再稼働への影響は現時点で何とも申し上げられない」と説明している。
水漏れが見つかったのは、原発の運転中に必ず使う1次冷却水の浄化設備。20日午後3時42分ごろ、設備の一部に水を通したところ警報が鳴り、発覚した。
午後4時55分に原子力規制委員会と県へ連絡した。漏れた放射能は推定で約6万ベクレルで、国への報告基準値を下回っていたという。
関電は再稼働作業中のトラブルについて「工程に影響を与えるものはその都度知らせる」としていたが、公表は約6時間後だった。
水漏れを受け、関電は4号機の再稼働作業の一部を中断した。21日からは、原子炉を稼働時と同様な状態にして性能を確かめる「起動試験」を始めるはずだった。計画通り始められるかは未定という。
関電は、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使った「プルサーマル発電」で高浜原発の再稼働を進めている。4号機は運転開始から30年で、1月末に再稼働した3号機は今月26日にも営業運転に入る見通し。
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放射性物質含む水漏れ…4号機、補助建屋内
毎日新聞2016年2月20日 23時48分(最終更新 2月21日 01時30分)
http://mainichi.jp/articles/20160221/k00/00m/040/070000c
関西電力は20日、再稼働を目指す高浜原発4号機(福井県高浜町)の原子炉補助建屋で、微量の放射性物質を含む1次系冷却水が漏れたと発表した。
水は全て拭き取るなどして回収し、外部への影響はないとしているが、再稼働の日程に影響が出る可能性がある。
関電によると20日午後3時40分ごろ、原子炉を収めた建屋の隣にある原子炉補助建屋で、出力調整をするホウ素の濃度を調節する水を1次系冷却水内に入れていたところ、水が床に漏れたことを示す警報が中央制御室で表示された。
確認したところ、1次系冷却水から不純物を取り除く設備の前で、放射性物質1万4000ベクレルを含む約8リットル分の水たまり(縦2メートル、横4メートル)があった。
床に漏れた水を回収する容器などにも約26リットルがたまっており、水漏れは計約34リットル、放射性物質の総量は6万ベクレルとみられるという。
高浜4号機は21日から起動試験を始め、26日にも再稼働する見通しだったが、工程について関電は「原因を調査中で何も申し上げられない」としている。【村山豪】
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高浜原発4号機 放射性物質含む水漏れ
NHK NEWSWEB 2月21日 5時18分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160221/k10010416591000.html
今月下旬の再稼働を目指して準備が進められている、福井県の高浜原子力発電所4号機で20日午後、原子炉建屋の隣の建屋で放射性物質を含む水が漏れ、関西電力は21日に原子力規制庁の検査官の立ち会いのもと、準備作業の一部を止めて、詳しい状況を調べることにしています。周辺の環境への影響はないとしています。
20日午後3時40分ごろ、福井県高浜町にある高浜原発4号機の原子炉建屋の隣にある原子炉補助建屋と呼ばれる建物で、水漏れを知らせる警報が鳴りました。運転員が現場を確認したところ、原子炉を冷やすための放射性物質を含む1次冷却水が漏れて、床におよそ8リットルたまっているのが見つかったほか、周辺に設置された漏れた水などを回収する設備にも流れ込んでいて、合わせておよそ34リットルが漏れたことが分かりました。
関西電力によりますと、床にたまっていた水に含まれる放射性物質の量は1万4000ベクレルと、国に報告する基準の200分の1以下で、拭き取るなどして回収され、作業員への被ばくなどはないとしています。
また、敷地の境界に設置した放射線量を計測するモニタリングポストの値に異常はなく、周辺の環境への影響はないとしています。
高浜原発4号機では、今月下旬の再稼働に向けて準備が進められていて、関西電力によりますと、20日に警報が鳴る直前に初めて水を流した配管があったほか、水漏れが見つかった現場には、冷却水から不純物を取り除くろ過設備がありますが、水漏れの具体的な場所や原因は特定できていないということです。
このため関西電力は21日、配管に水を流す準備作業の一部を止めて、原子力規制庁の検査官の立ち会いのもと、詳しい状況を調べることにしています。
このほか、22日午後からは、再稼働に向けた準備として原子炉の温度や圧力を上げる検査が予定されているということですが、原子力規制庁は「詳しい報告を受けて状況を把握する必要があり、検査や再稼働の日程に影響が出る可能性がある」としています。
周辺の自治体は
福井県原子力安全対策課は「大きなトラブルではないが、予期せぬ水漏れなので現場で関西電力から詳しく話を聞いている。再稼働に向けた工程への影響は現時点ではわからない」と話しています。
高浜原発の30キロ圏には、福井県以外にも京都府と滋賀県の合わせて8つの市と町が含まれています。このうち京都府によりますと、20日の午後4時台に関西電力から「放射性物質を含む水が漏れた。周辺への影響はない」という内容の連絡があったということです。京都府では今後、原因調査の結果について報告を求めていきたいと話しています。
また滋賀県では、「関西電力からはきのう午後6時ごろに最初の連絡があり、合わせて5回の連絡があった。原子力規制委員会にも直接連絡をとり、安全性に問題はないと確認した。今後も情報収集を続け、推移を見守りたい」としています。
放射性物質含む水漏れ 過去にも
今回高浜原発4号機で漏れたのは、原子炉から流れる水で、PWR=加圧水型と呼ばれるタイプの原発では一次冷却水と呼ばれ、福島第一原発の事故のあとにも漏れるトラブルが起きています。
平成23年12月には、運転中の福井県の美浜原発2号機で、原子炉から流れる一次冷却水の圧力を保つ設備の弁から放射性物質を含む水が漏れ、関西電力は原子炉を手動で止めました。弁の内部の施工不良で、部品が壊れたことが原因でした。
高浜原発とは異なるBWR=沸騰水型と呼ばれるタイプでも、茨城県の東海第二原発で平成23年10月、定期検査中に22トン余りの放射性物質を含む原子炉を冷やす水が格納容器内に漏れ、その際、4人の作業員が水をかぶりました。
日本原子力発電によりますと、4人の健康状態に影響はなかったということです。
また原子炉の冷却水ではありませんが、おととし11月には、停止中の愛媛県の伊方原発2号機で原子炉建屋に隣接する建物内の配管から放射性物質を含む水が漏れるトラブルが起き、四国電力は配管が腐食し、穴が開いたことが原因とみています。
この配管は、運転開始から32年間一度も交換されていなかったということです。
いずれのケースも、周辺の環境への影響はありませんでした。