守田です。(20160417 23:30)
熊本県で発生した地震、一方で北東=阿蘇山や大分県方面にも広がっていましたが、他方で南西方面への拡大も確認されはじめました。
気象庁が、広い範囲で強い揺れに警戒するように呼び掛けていますが、この南西方面には川内原発があります。
災害対策は、万が一を考えた早目の避難が鉄則。人ならば避難が大切ですが、原発ならばとにかく早く停めてしまうことが大事です。
これだけ被害が広がっている中でさらに原発に何らかのトラブルが起きたら本当にとんでもないことになります。だからこそ川内原発を今、ただちに止めることは、必須の災害対策です。
このことを全国から訴え続けましょう。以下に要請先を記しておきます。
◆首相官邸に対するご意見・ご要望
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
◆原子力規制委員会
https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/contact_done.php
◆九州電力
http://www.kyuden.co.jp/functions_inquire_index.html
とくに原子力規制委員会は18日に臨時会合を開き、川内原発の安全性・危険性についての確認を行うそうです。
ぜひそれまでに「川内原発はとめるべきだ」の声を集中しましょう!
いやそれだけではありません。この間、大きな地震を起こした断層は、「中央構造線」という日本列島に沿って東西に長く伸びた断層帯であり、熊本・大分の延長上に伊方原発が存在しています。
伊方原発はこの夏の再稼働を目指していますが、これだけの地震の発生があるのですからそれもとりやめるべきです。
ネットで呼びかけられてる川内原発を停める署名もご紹介しておきます。17日夜半で約35000人が署名しています。
さてその後の地震と被害の状況をお伝えします。
先にも述べたように地震は熊本から大分へと広がっています。双方でたくさんの余震も起こっています。4月14日夜から17日午後11までに発生した地震は震度1以上ではなんと488回
しかも震度7が1回、震度6強が3回、震度6弱が3回、震度5強が1回、震度5弱が6回、震度4が66回で、震度4以上が合計で80回もありました。ものすごい数の強い揺れです。
人的被害ですが、17日23時30分配信の東京新聞によれば一連の地震の死者はこの時点で42人、11人が行方不明だそうです。避難者は最大で19万6千人、夜半に入って11万人となっているそうです。
同じく17日20時45分配信の毎日新聞によれば、熊本・大分両県の負傷者は1063人、うち重傷者は205人だそうです。
家屋は全壊が400棟、半壊が1262棟、一部損壊が761棟、合計で2442棟ですが、被害の多かった南阿蘇村や益城町ではまだカウントできておらず、さらに増えるのは必至です。
地震の特徴ですが、重要なこととして押さえるべきは、地震が南西に広がりつつあることが確認されていることです。
これは17日午前10時半ぐらいに気象庁によって発表されたことです。これを伝えたNHKのニュースをご紹介します。重要な点を抜粋しておきます。
気象庁 地震活動の範囲 南西側に広がる
NHK NEWS WEB 4月17日 12時33分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160417/k10010484531000.html?utm_int=news_contents_news-main_002
「3日前に震度7を観測した地震以降、熊本県では布田川断層帯や日奈久断層帯の北東側で活発な地震活動が観測されています。
一方、16日午前9時16分ごろ、熊本市の南側にあたる八代市や宇城市などで震度4の揺れを観測したマグニチュード4.5の地震以降、日奈久断層帯の南西側で地震活動が活発になっているということです。
多くは体に感じない小さな地震だということです。」
抜粋はここまで
極めて重大な指摘です。川内原発が日奈久断層帯の伸びた先の直下ではないけれども近くにあるからです。
ちなみに新規制基準で認可された川内原発の耐震基準道は620ガル。ところが今回の地震では4月14日午後9時過ぎのもので、熊本市益城市で1580ガルを観測しています。
このままでは川内原発を、耐震許容度をはるかに越えた直下型の地震が襲う可能性があります。だとしたらとにかく停止させた方がいい。運転中の方が格段に危険だからです。
さらに極めて注目すべき見解が出ています。今回の地震のあり方はこの100年間の観測の中でもなかったものであると指摘されていること。だから今後の予測がつかないとされていることです。これはとてもつもなく怖い
各紙が報じていますが、例えば京都新聞には以下のような記事が載っています。一部を抜粋します。
双子地震後に本震ほぼ例なく 熊本地震メカニズム
京都新聞 2016年04月17日 11時23分
http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20160417000028
「九州で14日から連鎖的に発生している地震は、近代的な地震観測が始まったこの100年間ではほとんど例のない非常にまれな形態だ。」
抜粋はここまで
この他にも、今回の地震がこれまでの観測から得られた推測を大きく上回っており、今後の展開の予測がつかないという見解が多数の専門家から出されています。
こうした中で断層帯延長部から別の地震が誘発される可能性も繰り返し指摘されだしています。NHKがこうしたニュースを流しています。これも一部抜粋します
専門家「断層帯延長部では別の地震誘発も想定を」
NHK NEWS WEB 4月17日 19時09分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160417/k10010485501000.html?utm_int=news_contents_news-main_002
「これまで経験したことのない地震活動になっていて、断層帯の延長にあたる部分ではさらに別の地震が誘発されることも想定して備える必要がある」
「地震活動はこれまでにずれ動いた布田川断層帯や日奈久断層帯の区間からしみ出すように広がっているように見える。仮に別の区間で地震が誘発されると、これまでと同じ規模か、さらに大きな地震が起きるおそれもある。
耐震性の低い住宅や、すでに強い揺れに見舞われた住宅にいる場合には、地震活動がおさまるまでは自宅から避難することなどが重要だ」
抜粋はここまで
さらに多くの報道機関が、今回の地震が南海トラフ地震につながることへの懸念について触れだしていますが、しかしポイントとしてみるべきことは、今回の地震がこれまでの100年間の観測の経験を越えてしまっていることです。
だから誰も確定的なことなど言えない。いや推論もしづらい。要するに、今までの知見では何が分かるか把握できな事態の前に私たちは立っているのです。
このことはだからこそ川内原発を停止しなければならないし、伊方原発にも厳重な警戒がいること、さらにこうした危険性にさらされるリスクを回避するために、即刻、日本中の原発の燃料プールから核燃料を降ろすことに着手すべきだということです。同時にこれら二つの原発事故への備えとして避難準備も必須です。
なぜって、地震がどのような規模でいかに発展するのか分からないからです。
そもそも原発は、人類が地震に対して一定の把握ができるという前提に基づき、耐震設計がなされてきたのです。しかしその前提が大きく崩れてしまっている。
だからこそ、安全性がまったく担保されないのだから、原発は動かしてはならないし、一刻も早く核燃料をプールから出し、より安全な場に移すべきなのです。
以上、熊本県から始まった大地震は、断層伝いに北東・南西に広がりつつあり、断層以外のところの別の地震の誘発も考えられる恐ろしい事態が私たちの前にあります。
私たちはこれと正面から向かい合いながら、地震と原発から命を守り抜いていきましょう。
そのために、川内原発を停めるあらゆる努力を集めるとともに、川内原発、伊方原発での事故の発生に身構えましょう。