明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1254)熊本・九州地震は記録を更新中。何度でも「ただちに川内原発を停めよ」と声をあげよう!

2016年05月01日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160501 23:30)

熊本・九州地震はいまだに収まる気配をみせずに活動を続けています。
しかしマスコミの報道などを観ていると、ゴールデンウイークに突入したことなどで緊張感がどんどん低下しているように思えます。
いや政府自身がそれを促進しています。すでに安倍首相が欧州五か国訪問の旅に発ってしまいました。続けてたくさんの官僚も外遊に向かおうとしています。
あたかも危機はもう過ぎ去ったかのような振る舞いです。

事実はそうではない!観測史上、初めてのこと、大地の激震が続いているのです。
みなさん。僕は今こそ「正常性バイアス」を打ち破るべき時だと呼びかけたいです!
危機に直面しているのに「事態は正常に戻っていく」と己を騙してしまうのが正常性バイアスです。
今、それがこの国を再び強く覆ってしまっている。とくに政府を完全に覆い尽くしています。このあり方そのものが大変危険です。

客観的な事実を見すえましょう。
まず震度1以上の地震は、4月14日の震度7の地震の発生以降、1日午後9時までになんと1125回を数えています。
これがどんなに凄いことなのかというと、昨年1年間の震度1以上の地震が1842回だったのに対し、わずか半月余りの間に、なんと前年総数の10分の6が起こっているのです。もの凄い頻発です。

このため気象庁青木元地震津波監視課長は、28日の会見で、率直にこう述べています。
「今回のような地震活動があるということは、初めて認識した」
「14日の発生当初は地震は、本震余震型で推移するだろうと考えて1週間程度震度6弱程度の地震への注意を呼びかけていた。その後16日に大きな地震が発生して、それ以降は本震余震型に当てはまらないと、余震発生確率も発表していない。
期間は明示できないということで、本日はお知らせした」。
要するに今起こっている事態が予想もしてなかったことであり、とてもではなけれども今後の予測も立たないと表明しているのです。

その後、気象庁は「熊本県や大分県では今後も当分の間は最大で震度6弱程度の激しい揺れを伴う地震に警戒するとともに、地盤が緩んでいるため、土砂災害にも十分注意するように」と発表しています。
しかしどう考えたって「最大で震度6弱程度の激しい揺れ」ということに確実な根拠があるとは言えません。もっと大きな地震がどこかで発生する可能性を否定できないのです。

ここで一度、川内原発のことを横において考えましょう。

九州のみなさん。また連休を通じてボランティアに入られているみなさん。今なお、九州の多くの地域が危険地帯であることを見すえて下さい。
とくにこれまで繰り返し地震にさらされた地域では、土砂災害の危険性がかつてなく高まっています。激しい山崩れなどが起こる可能性がありますし、それがさらなる地震によって起こる可能性もあります。
今はとてもではないですが首相をはじめとする主要官僚が外遊するようなのんびりした状態ではありません。ぜひとも政府に惑わされて緊張感を解いてしまわないようにしてください。

同じく中央構造線上に住まわれているみなさん、いやその他の地域のみなさんも、いつ何時今回の地震に連動した災害に見舞われるかもしれません。
そう考えて、あらためて地震対策を点検・強化して下さい。
繰り返しますが、昨年1年間に起こった地震の6割がすでに熊本・九州で起こっているのです。観測史上にないことです。だからこそ緊張感を解いてしまうと危険です。

とくに私たちが見ておくべきことは活断層にはまだ「割れ残り」と呼ばれる事態がありうることです。
4月29日付の西日本新聞は、断層帯の南西部、熊本県の八代市から水俣市にかけての断層帯では余震が比較的少ないことに対して、九州大地震火山観測研究センターの清水洋センター長(地震火山学)が次のように語っていることを紹介しています。
「エネルギーがたまっている可能性がある。本震以上の地震が起きるとは考えにくいが、M7級の地震もありえる」。

 連なる断層帯「異常」誘発 阿蘇、大分まで影響 熊本地震1000回超
 西日本新聞 2016年04月29日 02時02分
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/242139

NHKからは次のようなことも伝えられています。今回の地震では49人の方が亡くなっていますが、そのうち12人が14日の地震の後に自宅に戻った後に、16日の地震で亡くなったというのです。
「亡くなった人の中には「もう大きな地震は起きないだろう」とか「車での避難生活に疲れた」などと話して、自宅に戻った人もいた」のだそうです。
そのためNHKは余震がおさまるまで自宅に戻らない方がいいとも伝えています。

 死者の4分の1 いったん避難も自宅に戻り死亡
 NHK NEWSWEB 5月1日 19時09分

しかしそれ自身がとても苦しい状態です。一方で、自宅に戻ることをためらって、車の中で寝泊まりしている方たちの中から多数のエコノミー症候群による死亡も生まれているからです。
このような状態にいるからこそ、災害はもう終わったと考えたいのも無理からぬことです。しかしそれが危険を呼んでしまいます。だから僕も、人々の心が休まることのないこうした危険情報を発せざるを得ないのです。

本来、これは政府がなすべきことです。避難所にいて、いやその周りの駐車場などにいて、右往左往せざるを得ない人々に、政治が寄り添うべきなのです。断じて主要官僚が外遊などしていて良い次期ではありません。
しかし先にも述べたように安倍首相はもう日本を離れてしまいました。ならばこのことをしっかりと見据えましょう!この国の政府は住民を真剣に守ろうとなどまったくしてないことをきちんと把握しましょう。
私たち自身が自らの力で自分たちを守らなければならない。そのことにこそ覚醒しましょう!

さてここで川内原発のことに思いを馳せたいと思います。もはや言うべきことはわずかだです。
こんな状態にあるのに、つまり原発のことを除外しても、未曽有の地震に人々が襲われて、苦しみ抜いているのに、この国の政府は民衆の危機と苦しみに向かいあおうとしていません。だとしたら私たち民衆の下からの力で安全を獲得しなければなりません。
その第一は川内原発を停めることです。原発がなくてもこれほど大変で、何が起こるが分からない事態なのですから、原発が動いていてよいわけがないのです。

正常性バイアスに囚われて、目の前の危機を見過ごしてしまうことを拒否し、この未曽有の事態にみんなで向かい合い続けましょう。
そのための最も合理的な対策の一つとして「川内原発の稼働を停めよ

ましょう!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする