明日に向けて

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明日に向けて(1266)米軍基地の沖縄からの完全撤去を!-1 沖縄への海兵隊の集中を検証する!

2016年05月28日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160528 23:30)

すでにみなさんがご存知のように、沖縄で再び米軍関係者による女性レイプ殺人事件が起こりました。
この場で論じることが遅くなってしまってとても申し訳ないのですが、あらためて書かせていただくと、性暴力のすえに殺害されたのは島袋里奈さんという方でした。20歳の、とても心優しい女性だったそうです。
心からのお悔やみを申し上げます。あまりに悲しいです。同時にアメリカ軍とアメリカ政府、またこうした事態を放置してきた日本政府に強い怒りを表明します。

深い悲しみとこみ上げる怒りを感じます。こんなこと、もう本当に終わらせなくてはいけない。
私たちはけして島袋さんのことを忘れてはなりません。
同時に沖縄に在日米軍の多くを押し付けているこの国の矛盾をしっかりと認識しなくてはいけません。
日本に住まう誰もが、沖縄で起こっていることに責任をもっている当事者なのです。

犯行を自供しているのは元海兵隊のシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者です。元海兵隊員です。
21日の朝日新聞の記事にはこう書かれています。
「捜査関係者によると、シンザト容疑者は調べに「女性をレイプした」と話したほか、「棒で頭を殴り、乗用車に連れ込んだ」「ナイフで刺して殺した」などと供述。遺体を運んで遺棄したことも認めたという。」

 元米兵「刺して殺害」 性的暴行認める 女性遺棄容疑
 朝日新聞 2016年5月21日03時01分
 http://www.asahi.com/articles/ASJ5N76RHJ5NTIPE039.html?iref=com_alist_8_02

沖縄ではこうした被害が何度も繰り返されてきました。
最大の理由はあの小さな島に、人殺し集団が大挙して居座り続けているからです。第二次世界大戦の終戦以降、71年間もの軍事占領です。
それで日本が守られてきたと言うのはまったくの幻想です。守られてきたどころか、沖縄はベトナム戦争やその後の戦争の出撃基地になってきたのです。

沖縄では「戦争と基地を許さない行動する女たちの会」など、女性たちを先頭に多くの方たちが怒りで立ちあがっています。
記者会見などで「米軍基地がある限り事件は起きる。すべての基地を撤去すべきだ」という声が高らかにあげられています。
その一つをご紹介しておきます。

 「被害者は私だったかもしれない」女性団体、震える声
 沖縄タイムス 2016年5月21日 11:00
 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=169251

この声に本土からぜひ呼応していきたいと思いますが、その際、私たちは今、在日米軍の中の在沖米軍の占める位置性、とくに海兵隊がどのような組織であるのかをおさえておく必要があります。
今回の記事ではまずはこの点を明らかにしていきたいと思いますが、前提として米軍の人員数などを把握しようと少し調べてみると分かることは、在日米軍の正確な数は分かりにくいということです。それ自身、軍隊の本質だとも言えます。
とりあえずここでは米軍に好意的な「THE PAGE」というサイトから数をおさえておきたと思います。米国防総省の統計からの算出として2015年6月現在、総数48828人、うち海兵隊19282人とされています。約4割が海兵隊です。

 日本の平和を維持してきた『抑止力』一翼を担う在日米軍の全体像とは?
 THE PAGE 2015.09.24 09:00
 https://thepage.jp/detail/20150917-00000010-wordleaf

そのうちのどれぐらいが沖縄に駐留しているのかが知りたいことですが、実はこの数字をアメリカが隠していることも分かってきました。
というのは2011年6月末の統計では在沖米軍の兵力は在日米軍の70.4%、特に海兵隊は87.4%をも占めていましたが、その後、米軍がこうした情報をあまり出さなくなってしまったからです。
この点は以下の琉球新報に報じられています。

 検証 基地をめぐる「誤解」:専用施設が74%
 琉球新報 2015年7月7日 12:17
 http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-245387.html

以下、主要な点を引用します。

「2011年6月末の統計では、陸軍、海軍、空軍、海兵隊を合わせた在日米軍兵力の総数は3万6712人で、うち在沖米軍の兵力は70.4%に相当する2万5843人。
 特に海兵隊は日本に駐留する1万7585人のうち沖縄駐留は1万5365人を占め、割合は87.4%に達する。
 米軍は11年6月末を最後に在沖米軍の人数を公表しておらず、沖縄への過重負担を前面に出したくない意図もありそうだ。」

このため2015年現在、日本にいる約4万8千人の米兵のうちのどれだけが沖縄にいるのかはっきりしないのですが、しんぶん赤旗に2013年12月31日現在の日本政府発表のデータが掲載されていることを見つけました。
笠井議員の追及で明らかになったもののようです。それによるとこの時点で在沖米軍の数は28265人、うち海兵隊は18070人だとされています。在日米軍全体では海兵隊は20776人。沖縄駐屯数は86.9%になります。
海兵隊は増えているけれども本土との比率にはそれほどの変化がないことが分かります。

 在日米軍海兵隊「実員2万人超」笠井議員質問で過小報告判明
 しんぶん赤旗 2014年4月17日
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-17/2014041701_04_1.html

これらから分かることは在日米軍の約4割ぐらいを海兵隊が占めていますが、その海兵隊の9割近くが沖縄におかれているということです。
しんぶん赤旗掲載のデータから言えば、2013年末時点では在沖米軍の63.9%が海兵隊だったということになります。
今回の犯人も所属していた、在沖米軍の6割半を占めるこの海兵隊という組織がどのようなものか、私たちはしっかりと知って行く必要があります。

続く

コメント
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