守田です(20190608 11:00)
参議院選挙が迫っています。今回の選挙、僕はようやく政策合意のもと、32の一人区で候補者一本化を決めた市民と野党の共闘を心から応援しています。
同時にこの共闘のために並々ならぬ尽力をしてきた日本共産党を応援し、とくに僕が住んでいる京都で現職参議院議員の倉林明子さんをもう一度国会に送りこみたいと思っています。
もともと倉林さんに共感していてファンだからでもありますが、要請を受けて日本共産党・倉林明子選挙事務所の事務次長にも加わることにしました。(おそらく選挙事務所への党員以外での初めての参加です)
それで早速、東京の参議院会館を訪れて倉林さんにインタビューしてきました。聞きたいことは山ほどありました。例えば倉林さん、僕が一番重視している原発問題で50回を越える質疑を行われています。
しかし今回はあえて「参議院のお仕事」と「野党共闘の意義」にフォーカスしました。選挙をみんなで能動的に担うために参議院という場がどういうところなのか、どんな攻防があるのかをもっと深く知る必要があると思ったからです。
また成立した野党共闘の意義をみんなで何度でも確認したかったからです。
この点ではこのインタビューには、野党共闘のすべての候補の応援にもつながる内容がこもっていると自負しています。というか倉林さんは非常におおらかにその点を語ってくださっています。
だからこのインタビュー、倉林さん以外の民衆の側に立つ候補予定者を応援するすべての方に読んでいただきたいです。
参議院会館の倉林さんの部屋にて 2019年5月25日
しかし一方でここでは倉林さんの魅力のすべてを網羅できていません。その点をもっと知りたい方はぜひ彼女のホームページに掲載されている、生い立ちや看護師から政治家に転身した経緯などを一緒に読んで下さい。
「webまんが アッコ物語」がとくにお勧めです。また国会での原発での質問や今回も触れた消費税をめぐる論戦などを扱った素晴らしい出来栄えのプロモーションビデオもあるのでそちらもご覧になって欲しいです。
倉林明子ホームページ プロフィール
http://kurabayashi-akiko.jp/profile/
日本共産党・倉林明子参院議員プロモーションビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=cBvn1R-lafw
以下、インタビューに移ります。
*****
政治をみんなで変えるときが来た! そんな選挙を大いに楽しもう!
倉林明子さんインタビュー
2019年5月25日 参議院会館の倉林さんの部屋にて
守田
こんにちは。国会で本当に忙しい中、時間をとってもらってありがとうございます。
倉林
いやあ本当にいまは繁忙期で。国会と地方議会と日程感がぜんぜん違うんですよ。
守田
そうなんだ。
倉林
本会議がなくなったり飛んだり。日程が一つの政治的駆け引きになったりもするし。なんていうところだ。地方議会では考えられへん。
守田
それでだいたいの質問はメッセージで書き送りましたけど。
倉林
なんか怖いわ(笑)
● 参議院と衆議院はどう違うのか
守田
今回、インタビューの前に考えたのだけれど、普段、人々は参院と衆院の違いをあまり考えてないと思うのね。一応、知ってはいてもそこでの仕事の仕方の違いとか、何が攻防になっているのかとかあまり知られていない。
倉林
そうやね。衆院と参院となんで二つあるのかとかね。
守田
「どうせ参院に来て衆院の決定をひっくり返してもまた衆院でもとに戻ってしまうのでしょう」とかも思われていて。
倉林
予算案とかはそうやけどね。(守田注:他に法案、条約承認、内閣総理大臣の指名)
守田
その辺のことがもう少し伝わった方がいいかなと。野党共闘は大事だけれど、みんな候補をどう統一するのかの方に意識があって、そもそも参議院の仕事はどういうものなのかをもっと知らないと。
倉林
確かに。そうやなあ。衆議院が入り口になるじゃないですか。法案はね。まず衆議院でバーンと審議をやると主な論点が出てくる。そうするとはっきりしたところ、とめられたところ、触れられていない隠れた論点は何なのかということになるわけ。
またそうやって衆議院で議論になると報道されるので世論の反応も出てくる。でも衆議院の時は審議に反応が間に合わない面がある。だから衆院の審議があってそれに世論が反映されて参議院に来るという感じが多いんですよ。
守田
なるほどね。
倉林
だから衆と参が何が違うかと言うと、衆は入り口で論点をはっきりさせ、世論が起こって参でもう一回審議して世論が反映される。ここが大きいかな。二院制のいいところは一回で終わりにならずに国民の声を含めた論議ができるところやね。
守田
でも衆議院の討論ってどこで終わって参議院にまわるんだろう。
倉林
衆議院では基本的には本会議で負託して、委員会で審議して委員会の採決をして本会議で採決した上で参議院に来ると言う流れですよ。
守田
採決まで論点を尽くすと言っても強行されてしまうことがよくあるわけでしょう?
倉林
あるある。法案によって「これについては審議時間をこれぐらい確保しましょう」とか理事会で全会一致で確認した上で転がすというのが基本なのだけれど、日程がつまってきたリ、はやくあげたいとなると削ってくるわけよね。
倉林明子ホームページトップより
守田
1回の会期でだいたいどれぐらいの法律ができるの?
倉林
今回は5本かな。議員提案も入れると7本ぐらいかな。でも一括法案というのが増えていて一本に8つぐらい入っていてね。だから一括審議も含めて5本から8本ぐらい。
ただしこれ私のいる厚生労働委員会だけですよ。会期にも寄るんですけどね。通常国会の場合だと何十本とかかってきますね。
守田
それを全部、勉強しはる・・・
倉林
そうそうそう。ふふふ。それと法案と法案の間に、必ず一般質問というのを入れるんですよ。厚生労働委員会で。法案、一般、法案、一般というふうに。
守田
それはどういうもの?
倉林
自由なテーマでできるんですよ。社会保障や労働行政に関する質疑ということで。そうでないと法案のことしかできなくなるじゃないですか。このため自由質問できる場を入れ込むわけ。厚生労働委員会は所管も多いので必ず入れようということで。
通常国会の一般質疑でいったら~質疑をまとめてファイリングした封筒がぎっしり詰まっている本棚の前に移動~ここからここまでがこの国会でやったやつで。これが一般でやったやつかな。これは国保、これは年金だ。
それから医師・看護師の働き方問題、これはどこでやったんだったかな?これは生活保護の物価偽装、これも一般質問でやって・・・。だから今期、ここから始まってここまでダーッと。
守田
うわあ~~~。
高浜原発再稼働断念を迫る質問のレポート(HPより)2015年8月
● 常に幾つかの法案に同時並行で対応
倉林
へへへ。この間、行政監視委員会というのもあって、そこで集落営農の問題を扱って。(守田注:集落営農とは、集落を単位として、農業生産過程の全部又は一部について共同で取り組む組織のこと 農林水産省HPより)。
中山間地のね。これは農業シンポジウムを京都の北部でやったときの宿題をやったの。
守田
なるほど!忙しいなあ。
倉林
わはははは。ハラスメントについては1回、2回。女活はもうちょっと審議せなあかんと思ったんやけど、1回、2回。それから参考人を呼んで。それでもやり切れてないのが多いんだけれどこんな感じで。
守田
すごいねえ。
倉林
これを「198国会でやったよ」と積んでいくわけ。この辺もいれると3年分。
守田
でもこれ一つ一つ勉強するの?知らないこともあるでしょう?その場合は一から?
倉林
そうだねえ~。一応ほら、厚労は3年目なのでだいたい大きい法律、というか年金などの大きい「改正」を通り越してきたので。
守田
その時に勉強してきたわけかな。
倉林
そう。そのときだね。それに25年の京都府議会、京都市議会、国会とすごしてきて経験の蓄積がそれなりにあるからまったく一からでもないのだけれど。
先週だったら月曜日が行政監視委員会ね、農業をやって、火曜日は統計不正の問題。それの集中審議をやって。それで水曜日は本会議。この時は出番はなかったけれど。
木曜日には女活法の参考人質疑をやって。「女活法」ってすごくいやらしい名前だけどねえ。そのあとに本会議があって私が出て質問せなあかんかったんやけど、最初に話したように急に延びて来週の水曜日になって。
それで質問の準備をどうするのかというと、金曜日に「こんな質問をするよ」と通告するわけですよ。来週分をね。
守田
すごい連続だ!
倉林
その通告のための準備をして、他と並行なのだけれど、ここのスタッフで質問内容の集団検討を前日朝にはやるのでそこまでに原稿をあげて。それでみんなで検討してもらって昼以降に通告を出すわけ。
それが連ちゃんになったりするじゃないですか。そうするとこの作業を幾つかいっぺんにやるわけですよ。今週だったら障害者雇用の法律のことも入ってきて最初の代表質問をすることになったので、農業についてやりながら障害者雇用のことをやって女活法も。
守田
わあ。ははは。もう笑えてしまう。とにかく並行してやらないと。
倉林
そう。並行してやるしかなくてね。ここで参考人質問が入ってとこんなことで順繰り、順繰りにね、やっていくという感じで。
守田
うーん。これ、ぶっちゃけさあ、他党含めてね、どれぐらいの議員さんがこれだけのことをちゃんとやれてるんやろう。めっちゃ大変やん。これ。
倉林
大変・・・。一人会派は維新と私と無所属の人で、ここはずっとやらなくちゃならないわけですよ。
守田
あとの大きいところはもっと分担しているわけか。
倉林
分担したり、与党は「もういいや」と言ってやめちゃったりもするし。自分の質問時間を吐き出して野党にやってもらったらいいと。
それも駆け引きの一つなんだけどね。審議時間を短くして早く上げたいとか。自分たちは提案までに関わってきているのでね。
守田
これ、他の共産党の参院の人たちと一つ一つ協議することとかできないのでしょう?
倉林
できないですよ。テレビで流れる予算委員会とか代表質問は集団で検討してもらえるのだけれど、委員会の一本一本は個人責任です。
守田
それが共産党の見解になるわけでしょう?
倉林
そうなの。法律での国会論戦は地方議会でも使われもするじゃないですか。もちろん法案についてどんな態度で臨むか、党の中で検討前に衆参の委員会単位で部会を作ってどうするか決めて臨むんですよ。
でもそのあとから出てくる論点とかを含めて私が対応していくことになるんです。
若者たちと談笑する倉林さん(HPより)
● 一番大事なのは現場の声に耳を傾けること
倉林
それを質問にしたてないといけないじゃないですか。いかに市民の声や生活、起こっている出来事なんかを含めて「だから反対」ともっていくか。
そこで聞いている側に共感を得られないといけないじゃない?独りよがりで言っているだけでは説得力を持たないしね。リアルな声をどうやって集めるのか。
守田
それによって違ってくるわけだ。
倉林
そう。それをどうやって拾って論戦に生かして議事録をきちっと残せるかがとても大事。それでレクをしてもらったり、当事者の声を聞いたり、そういう時間もいっぱい必要になってくるんです。
厚生労働省に聞くだけじゃなくて、各団体にも聴くし院内集会もたくさん開かれるし。
守田
なるほどねえ。それでどんどん判断していくわけだね。でもそれって怖いよね。間違って判断してしまうこともありえるわけだし。
倉林
ああ、もう怖い怖い。責任重大!でも判断するときに自信を与えてくれるのはやはりそこに声があるということなんですよ。実体がある。
事実として出ているリアルな要求が法に照らしてどうなのか、憲法に照らしてどうなのかの物差しさえはっきりしていれば大きな間違いには絶対にならないと思っていて。
守田
それで現場の声を重要視しているわけやね。
倉林
そうそう。
守田
この予定表にあるのは、今度の日曜日の京都の集会だよね。いつ来ていつ戻るの?
倉林
土曜の夜行って、日曜の夜に戻らないと。火曜日に質問でその準備があるから。
守田
休みないじゃん!
倉林
そうなの!
守田
うーん、うーん、なるほどねえ。
倉林
強制労働委員会だ~なんて。
(爆笑)
舞鶴で紙智子参議院議員、原田完府議と共に漁業者と懇談 2018年12月8日(HPより)
● 初めは本当に苦労した・・・いまも大変だけれど・・・。
守田
そっかあ。そういう活動を6年重ねてきて、どれぐらいで慣れたというか、ペースをつかんだのかな。
倉林
あー。そうやねえ。経済産業委員会のときは・・・
守田
最初はその委員会だったわけね。
倉林
そうなんだけど分野が経済でしょう。あと原発でしょう。本当に苦労した。法案も。
守田
どういうふうに苦労したの?
倉林
ようは、リアル感ということで言うとね。まあ原発はまだしもなのだけれど、経済の規制緩和に関する法律がバーンと出てくる。そういうものがどう暮らしや中小企業とか事業者のところに影響が出ていくのかを落とし込んでいくことがすごく大変で。
そもそも法を読むことが大変だしいま加わっている厚生労働委員会は暮らしに密着しているので分かりやすいのだけれど、経済産業委員会のときは・・・。例えば特許法とかさ!
守田
特許法ねえ。
倉林
ね?特許法とか、法律のたてつけがどうなっていているのか。いわゆる枠組みや骨子、まあルールよね。それがどうなっているのか、実際にそのルールが効いているのかとか。 多くは大企業が使いやすいように流し込んできているのだけれども、そこがどうなのか。
守田
つまりどこが悪いのか。
倉林
そうそう。この法律のどこに悪さがあるのかを明らかにしようとするのだけれど、法律そのものが複雑なのよ。それで経済産業のときは、法律そのものを勉強するためにとっても時間がかかったし。
うーん。それに対して質問に組み立てていかなくてはならないわけで、1年目のときは「これ6年なんてとってもやれそうにないな」と思ったくらい。本当に。泣きを入れたくなるくらいやった。ははは。
守田
お疲れさまでした!
倉林
本当に!
守田
今回、倉林さんをもう一度参院へというときの理由としてあげるべきことは一つはそこだな。6年間で培ったすごい経験を絶対に生かさないと。
倉林
そうよねえ。未だに慣れたと思ってないしドキドキハラハラ感でやっているんやけどね。
守田
でも積み上げてきたものがあるでしょう?慣れというのではなくて。
倉林
そうやね。経験は積んだね!ははは。私だってこの道のプロとしてこの仕事に入ってきたわけではないわけよね。国民の代表として送ってもらっているので、そういう点で一から勉強してきたものもあるな。
続く
厚生労働分野での奮闘をレポート 2018年1月(HPより)
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