明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2353)高浜原発1号機が28日午後3時に再稼働しようとしています。あまりに危険で愚か。心から反対します!

2023年07月27日 18時00分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230727 18:00)

【ご注目】7月30日(日)午後2時から講演会「原発からの命の守り方」を行います。(奈良教育会館にて)
FacebookでのLIVE配信もあります。

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高浜1号機は老朽化し12年も止まっていたのでとても危険

関西電力の老朽原発高浜1号機が明日午後3時に再稼働しようとしています。運転開始より48年以上も経過したとても古い原発でありすごく危険です。心の底から反対します。再稼働が危険な理由を列挙し、それぞれの参照記事などを示します。


高浜原発 一番手前が1号機 守田撮影

➀老朽原発は脆性破壊を起こす可能性がある。

機械は老朽化すればあらゆるリスクが出てきますが、原発特有の問題は中性子照射によって圧力容器の脆化が強まること。脆化とは金属の粘り気が失われることです。
脆化した金属は圧力に対してしなれずガラスのように割れてしまいやすい。それが脆性破壊です。その時、割れた鉄材が内側から飛びちるので格納容器も崩壊し、絶望的な状態になります。

原子炉容器の照射脆化とは何か(後藤政志)
https://cnic.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/546737f9d6a330c94ceff234b0c8f46e.pdf


照射脆化を説明する後藤さんのスライド19より

➁高浜1号機は12年以上も止まっていたので何が起こるか分からない

その上危険なのは、高浜1号機が2011年1月10日以降、12年6カ月も止まっていたこと。機械は動かしていないと可動部分が固着し、動かなくなってしまうことが起こりがち。原発はたくさんのパイプを使っているため、各所で腐食も起こりやすい。
実際に2018年3月に玄海原発3号機が7年3カ月ぶりに再稼働したときも、わずか一週間後に蒸気漏れ事故を起こしましたが、この時、九州電力瓜生社長(当時)はこう言いました。
「再稼働については7年間止めていたので何があるか分からないと言っていたが現実になってしまい残念だ」・・・。以下のニュースにあるように電力会社は危険を承知で動かしているのです。

玄海3号機蒸気漏れ事故:九電社長笑いながら「残念だ」
RKBニュース 2018年4月2日
https://www.youtube.com/watch?v=0irEt-3IHjE


新規制基準が過酷事故発生を前提としている。そもそも福島原発事故の要因も正確には把握されていない

➂そもそも原発再稼働にゴーサインを出した新規制基準が、過酷事故が起こりうることを前提にしているので認められない

再稼働が許されないさらなる理由は、認可を与えている新規制基準が過酷事故発生を前提し、対策を求めていることです。
そもそもチェルノブイリ原発事故が起こった時に、政府と電力会社は「日本ではあのような事故は絶対に起こらない」と語り「だから原発の運転を認めて欲しい」と市民に約束したのです。
それが福島原発事故で破れたのだから原子力は終焉させるべきでした。ところが新規制基準では「過酷事故は絶対に起こらないと言ってきたことが間違いだった」と言い出した。開き直りでとても容認できません。

明日に向けて(1062)原発再稼働に向けた新規制基準は大事故を前提にしている! 2015年3月28日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3d3e4b0cb07ae7a68734a3b52c9c693f


新規制基準を元に「安全だということは私は申し上げません」と繰り返し述べた田中俊一元委員長

➃新規制基準は「福島原発事故の教訓を踏まえたもの」とされているが、まだ教訓を引き出せる段階ではない

その新規制基準は「福島原発事故の教訓を踏まえる」とされているのですが、福島原発は1~3号機まで核燃料がメルトダウンし、どうなっているのかもはっきりしていません。格納容器のどう壊れたのかも分かっていません。
それどころか溶け落ちた核燃料を取り出すめどすら立っていません。これで「事故の教訓」を引き出すことなどできるはずがありません。

明日に向けて(1063)福島の教訓に基づく重大事故対策などまだできるわけがない! 2015年3月29日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8718f402298f072498d32eb7f59478f8

これらをみただけでも高浜1号機を動かしてはならないことは明白です。ただし動かしてはならない理由はまだあります。


放射能が漏れだしたら水鉄砲で撃ち落とすとされている。こんなものは事故対策とは呼べない。関西電力ホームページより

続く

#高浜原発1号機 #原発再稼働反対 #老朽原発は危険 #脆性破壊が起きる #圧力容器が崩壊すると破局的に #玄海3号機もすぐに故障事故を起こした #新規制基準が過酷事故を前提している #福島原発事故から事故の教訓など得られていない #後藤政志

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