守田です(20200105 23:30)
昨年末に開始した連載「原発から命を守るために」の8回目をお送りします。
● 原子力業界は断末魔・・・危ない!
昨年9月に日立が英国への原発輸出計画からの完全撤退を表明したことで日本からの原発輸出計画はすべて破たんしました。
政府・電力会社・原発メーカーはものすごい窮地に追い込まれています。
国内での増設が見込めない中、原発輸出で技術継承を続けようとしたもののまったくダメになってしまい、もはやこの先にあるのは原子力産業の終焉だけです。
焦りにかられた政府と原子力業界は再稼働に躍起となってきました。このため福島原発事故の教訓を反映したと騙る「特定重大事故等対処施設(特重施設)」などもまともにできてない原発を動かしています。
それでもとてもたくさんの原発を動かせてはいませんが、それでもこういう時は一番危ない。窮地にあるがゆえに無理を承知で動かそうとするからです。断末魔状態です。
実際、再稼働後、それぞれの原発で繰り返し故障事故が発生。定期点検でも配管損傷など重要な故障が見つかってばかりいます。
2018年8月20日 高浜原発4号機の原子炉上蓋配管から汚染水蒸気漏れ カンテレ
● 故障事故を繰り返す原発-伊方3号機の場合
その一つ伊方原発3号機を例にあげてみましょう。伊方3号機は2016年7月再稼働を前に一次冷却材ポンプの故障を起こし2018年10月再稼働後も故障事故を連発しています。
2019年8月16日、原子炉補助建屋で冷却装置のポンプ点検中に、弁のふたと弁棒のすき間に鎖が巻き込まれ弁の操作が不能になりました。
9月5日に原子炉補助建屋地下で緊急時に冷却水を原子炉に供給するポンプから潤滑油が漏れ出し。9月6日には特重施設工事中にクレーンでつり上げた鉄筋が荷崩れし一部落下。
それぞれの事故を伝える報道各社 右下は鉄筋落下に関する四電の説明図
12月26日から定期検査に入りましたが、翌年1月12日に原子炉容器上部で燃料固定装置を引き上げようとした際、核分裂反応を止めている制御棒1体を一緒に引き抜いてしまいました。
20日使用済み核燃料プール内の燃料をクレーンで移動させた際に燃料落下を示す信号を発信、25日は停電で一時全電源を喪失してしまいました。
伊方原発は昨年1月の広島高裁の仮処分決定によって運転が差し止められていますし、特重施設の設置期限が本年3月22日で切れるので、四国電力も当分動かせないとしていますが、このまま廃炉せねばです。
核分裂のブレーキである制御棒の引き上げミスや全電源喪失を伝える報道各社
同じようなことが川内、玄海、高浜 大飯でも頻発しています。
大変危険です。原発廃炉の声を強めるとともに、原子力災害対策をしっかりと取り続けねばです。
続く
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