少し使い込まれて汚れたPEN-FT(B) #2799XXが来ています。不具合など、気になる点をご指摘頂いていますが、その中で、巻上げ10回程度で駒数カウンターが進まなくなってしまう。とのことでしたが・・あらら・・。すごいことになっていますね。駒数板のリターンスプリングを見てください。なにか、先日のセイコー10型のひげゼンマイを見ているようです。
分解してみると、とんでもないことになっていました。どうしてこのようななるのか全く理解が出来ません。交換することになりますね。
かなり汚れていたダイカスト本体を洗浄して、いつものように組立てて行きます。すでにモルトは貼ってあります。スプロケットの磨耗を点検してからクラッチを潤滑して組み込みます。
オーバーホールを終えたシャッターユニットを組み込んでいます。特に問題のないユニットです。スローガバナーの作動が少しギシギシとした感じでしたのでメンテナンスをしてあります。ピンセット先の洗浄したロアーギヤにグリスを塗布してスプロケット軸にセットして、ギヤ列を連結させます。
セルフタイマーユニットです。途中で作動が止まってしまうという状態でした。構造は時計に似ていますね。右側のコイルバネが香箱のゼンマイで、中央がガンギ車、左側がアンクルに相当します。分解、メンテナンスで快調となっています。
問題の駒数板の復帰バネですね。一応、修正を試みてみましたが、ステンレスバネ鋼は一度癖をつけてしまうと元には戻せないですね。仕方がありませんので、右の良品を用意しました。しかし、リプロ部品は製作しておりませんので、数に限りがあります。ですから、不良品は無条件で交換してもらえるとは思わないでくださいね。少ない在庫をやり繰りしてお出ししているのです。大変な損失を出すなら、オールドファンのために、一つでも部品の再生産をしてくれると有り難いのですが、もとより無理な望みですので・・