PEN-S3.5が続きます。#1808XXと、前回の個体より僅かに後に製造された個体なのですが、大きな違いがあるのです。
シャッターは非常に緩慢な作動をしています。
なぜかヘリコイドナットのスリ割りが細くなっています。測定すると0.7mmです。PEN-S2.8は1.4mmで生産の早かったPENは1.07mmと製造時期によってまちまちです。2.8用に合わせてある工具が入らないのです。因みにPEN-S3.5用とPEN用は同じ寸法で流用は可能です。
このような感じですね。しかし、前回のPEN-S3.5#1767XXと製造時期は近いのに、シャッターユニットは設計変更を受けています。シャッター羽根を駆動するカムの表面処理が変更されており(地板も)、コーティングタイプとなっているため、摩耗による剥離が起きると正常に作動しなくなるという問題が起きます。今回はちょうど#17万台のユニットがストックしてありましたので、ユニットを換装することにしました。
シリアル№でいくと約3000台(実際の生産数はもっと少ない)の近いロットのユニットですが、変更前と変更後のちょうど切替の頃ですね。PEN-S3.5も後半に入って何故ユニットの改良をしたのでしょう? 製造元のコパルとしては、長く生産が続くと思っていたのでしょうかね。しかし、厄介な変更をしてくれたものです。
同じ機種が続くので簡単にします。シャッターユニットはオーバーホールで快調となっています。本体のシャッターユニットが付くプレートやリンケージ関係、カムの正面処理は全てクロメート処理になっています。ここまでコストダウンするんですね。
ファインダーブロックは樹脂製のため、研磨で光沢を復活させています。
完成してみると、ずいぶんきれいな個体だったんですね。PEN-S系の中では生産が新しいこともあってピカピカです。これで永く使うことが出来ます。