牧子からの手紙は、確かにショックではあった。
しかし不思議なことに、冷静な気持ちで読んでいた。
予感めいたものを感じてはいたのだが、努めて考えないようにしていたのだ。
悲恋に嘆く己を、楽しむような趣きがある。そんな己に酔っていた。
貴子との再会が、それを導き出したかもしれない。
思えば、異性関係に関して挫折を知らない彼だった。
気が付けば、誰かが傍らに居てくれた。
嬉しい時には共に喜び、悲しい時 . . . 本文を読む
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