昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十七)話に乗らないようにね

2015-09-28 08:56:15 | 小説
四十半ばの女性が、彼の背を支えた。 背中に宛がわれた両の手は暖かく、冷え冷えとしている彼の体に、じんわりと暖気が入り込んでくる。 「学生さんだったわね? このアパートでは珍しいわね。 あなた、お酒なんか飲むんでしょ? 翌日、辛くない?  良いのがあるのよ。シジミのね、エキスがたっぷりと‥‥」 気さくに声をかけてきたが、アパートの管理人に「話に乗らないようにね」と、忠告されている。 「お隣さんに . . . 本文を読む

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